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2019.02.25 COLUMN

「ロックスター」の採用が、貴社の採用を失敗に至らしめる〜グーグル社の採用に学ぶ〜

2月は脱兎のごとく過ぎていくとはよくいったもので、いよいよ3月1日の会社説明会解禁が、カウントダウンの段階に入りました。2020年卒の採用戦線、そろそろスタートですね。今回のコラムでは、あのグーグル社の採用から貴社の採用につながるヒントを考えていくことにいたします。

何やら海外の採用の現場において、「ロックスター」という言葉が流行っているようです。

「ロックスター」とは、(アメリカの)シリコンバレーにおいてつけられている肩書のひとつだそうです。某ロックバンドの中でのスター的な存在の人、というわけではないようですね(笑)。

Dellテックセンターでは、業界のソリューションやサービスのエキスパートで、テックセンターのコミュニティサイトを支援してくれる社外のITプロフェッショナルのエンジニアを、rockstarと称えている。(あげまん理論協会のホームページより)

要するに、ITのサービスや課題解決についての(社外)専門家ということになりますでしょうか。

なんと、グーグル社は、採用の際に「こうしたロックスターのような人材を求めていない」というのです。グーグルのリリアン・リンコン氏は、以下のように述べています。リンコン氏の発言から、貴社の採用についてのヒントを探っていくことにいたしましょう。

謙虚で、自分の経験から得たことを話せるか

「正直に言って、自慢ばかりする人はあまり好きではない。あるいは自信満々な人。よくよく話を聞いてみると、実は経験がなかったりする」

「自分の経験について、より謙虚で、経験から得たことをうまく話すことができる人の方がずっと良い」(2019年1月19日付「BUSINESS INSIDER JAPAN」より)

応募者(特に理系の大学院生)の中には、自分の専門分野での研究内容をとうとうと自慢げに述べる人もいるかもしれません。採用する側が、そこだけに引っ張られて「何だかこの人すごいかも」と思って選考の駒を進め、採用したら、全くといっていいほど成果を出せないし、自社の社風や方針に見合わなかった…という残念なケースもあるようです。

だからこそ、自社で成果を出せる人物であるかどうか、先の例ですと、「研究内容を自社の業務にどう活かそうと考えているのか、どんな成果を出せるのか」について、過去の経験を掘り下げて聞き、判断していく必要があると思います。このあたりについては、過去のコラムでも詳しく触れていますので、よろしければご一読ください。

また、リンコン氏は、こうも述べています。

自社のカルチャーに合っているかどうか

「グーグルのカルチャーに合う人材を見つけることは極めて重要。出身大学や、どのようなテクノロジーに取り組んだかではない」(2019年1月19日付「BUSINESS INSIDER JAPAN」より)

これを読み換えると、グーグルのカルチャーに合う=自社の企業理念や経営ビジョンに共感してくれている、人生の軸や方向性が同じ方向を向いているということになるでしょうか。そのあたりは、「志望動機」や「就職活動の軸」といった質問をすることで、確認することができると思います。

「志望動機」も「就職活動の軸」も、何もないところからいきなり生まれてこないと思います。必ず過去の経験と紐付いていますし、その人が大切にしている価値観があって、それを実現できる場所として貴社を選んでいるはずです。このあたりも過去のコラムでも詳しく触れていますので、よろしければご一読ください。

逆に、自社のカルチャーに合っていない、ということになり、せっかくコストをかけて採用したのに、「合わないから辞めます」と言われてしまっては、今までの時間と労力は、残念ながら徒労に終わってしまうのではないでしょうか。そのようなお互いにとっての不幸な採用(学生の立場から見れば、就職)活動は、私どもは、これで終わりにしていただきたいと願っております。

是非、自社のカルチャーに合っていて、成果を出せる人材を採用していただき、貴社の成長につなげていければとの願いをこめて、今回のコラムはここで筆を置くことにいたします。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。