採用直結インターン廃止の衝撃!今こそアルバイト生の活用を!(前編)
2020年新卒採用が、火蓋を切って落とされました。ご多分に漏れず、ことしも学生優位の「売り手市場」で、就職氷河期を経験した身としては何ともうらやましい限り。それゆえ、企業の人材獲得競争は、熱を帯びているようです。
さて、ちょっと先の話になりますが、2021年卒の採用において、政府が財界に対し、採用直結のインターンシップ禁止を要請するという報道がありました(2019年2月26日付朝日新聞デジタル)。まだどうなるかがわからない状況ですが、こうなったときのことを考えて、今から人材獲得の手段を考えるべきときが、やって来たのかもしれません。
採用担当の皆さんにしてみると、やはり「我先に」といわんばかりにいい人材に出会いたいところだと思います。そこで、今回は「今こそアルバイト生の活用を」というテーマで、筆を進めてみることにいたしましょう。
3月・4月は異動(移動)のピーク
特に、この3月・4月は、進学・異動のピークです。高校から大学に進学したり、引っ越しで住まいが変わったりと、一年で最も人の異動(移動も含む)が多い時期にあたります。業種にもよりますが、アルバイト生が入れ替わったりする時期でもありますので、アルバイト生の採用にも力を入れるという企業も多いのではないかと思います。
特に、慢性的な人手不足に悩まされている飲食系・建築系・介護系は、いかにして頭数を揃えるかが、大きな課題になっています。
そこで、アルバイト採用の時点から、ある程度自社の社員になってもらうことを見越した採用活動をしてみては、いかがでしょうか。
実際、弊社が運営する「就勝ゼミナール」に通っていた学生の中で、アルバイト先の企業にそのまま入社したという学生がいます。その学生の声を紹介いたしましょう。
お互い「わかっている」という安心感
「アルバイト先以外の企業の採用試験も受けましたが、何だか自分にとってはアルバイト先企業が一番安心できました。社長とはしょっちゅう話をしていましたし、何よりお互いのことを知っているという点が大きかったですね」(福岡大学・小売店内定女子)
「大学を卒業しても、アルバイトの立場でいいから、どうしてもこの仕事がしたかった。『学校を出ても、バイトの立場でもいいからこの仕事を続けさせてください』と代表者にお願いしたら、『君のことはわかっているし、そこまで言うなら、改めて面談しよう』ということになりました。運良く社員として採用していただけて、言ってみるものだと思いました」(九州大学・広告制作会社内定男子)
してみると、アルバイト生は、一度働くと数ヶ月、数年というケースが少なくありません。それだけ長い期間をいっしょに過ごすと、お互いのことが「わかっている」ので、安心感が生まれ、それだけミスマッチが防げるということにもつながるのではないでしょうか。ある意味、形を変えた長期インターンシップともいえましょう。
アルバイト生に内定を出す企業も
実際、ユニクロは、大学1年生のアルバイト生に内定を出し、4年間かけて店長候補として育てて、大学卒業と同時に即戦力の店長として働くこともあると聞きました。そういう意味で、人材獲得難のご時世において、アルバイト生をどう活かしていくかは、重要になってくると思います。
では、どういう点に注意すれば、自社の社員候補として、よいアルバイト生を採用できるのでしょうか。それは、次回のコラムで触れることにいたしましょう。
今週もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。