優秀な人材を採用するのに”時期”は関係ない
2020年卒の採用戦線がそろそろ第3コーナーに差し掛かっている今、既に2021年卒採用に目が向いているという採用担当者は多いのではないかと思います。報道のとおり、2021年卒の新卒採用からは通年採用となり、優秀な人材の争奪戦が繰り広げられることでしょう。
通年採用で時期が関係なくなった
通年採用とは、年がら年中採用活動を行っていることです。既に、数年前からマイクロソフトやヤフーなどといった企業で導入されています。今までの3月会社説明会解禁、6月選考開始といった「就活ルール」とまるで異なり、時期は関係ありません。すなわち、企業が、より自社のタイミングで自社に合ったかたちで採用活動を進めることができるということです。
通年採用に関しては、「学業に支障をきたす」「かえって就職活動が長期化する」などといった懸念の声が上がっていますが、この流れは、もはや止めることができないところまできているのだと思います。
サイバーエージェントの採用戦略本部で採用広報責任者を務める宮本隆輔氏は、対談の中でこのように述べています。
「21世紀を代表する人材を採用すること」が僕らのゴールなので、別に高校3年生だろうが中学3年生だろうが、「こいつは優秀だ!」と思ったら採ります。その時期とかは、関係ないんです。こっち(優秀な人材の採用)がゴールなので。(ログミーBizの対談記事より)
さらに、宮本氏はこうも述べています。
企業自ら学生と接触する時期をつくる
つまり、逆に言うと「機会を作らないと、会えないですよ」ということですね。
なので、そのような人(=筆者注:起業したりアプリをつくっているような人材)に会いたいのであれば、そのような機会を作るべきだし。僕からすると、3年生のいわゆる就活時期を待って採用活動をしている会社には、いい学生はすでにいない。
僕らのように……と言うとちょっとあれですが、とにかく早い段階で優秀な学生に会おうとしている僕らのような会社が、すでにかっさらってしまっていて。とうにいないよ、という状態になっているんじゃないかなと思いますね。(ログミーBizの対談記事より)
中小企業こそ、「ピンチをチャンスに」
言い方が悪いかもしれませんが、有名企業で”黙っていても”母集団形成が容易な企業ですら、実態として先に仕掛けています。だからこそ、母集団形成に苦労しそうな中小企業は、なおさら先に仕掛けていく必要がある、ということを、先の宮本氏が図らずも教えてくれているのかもしれません。
通年採用は、ある意味ピンチでしょう。
ただ、それは見方を変えると、「就活ルール」や時期にとらわれない採用活動ができるということでもあり、より機動性を持って採用活動ができるということでもあると思います。そこをうまく活用できる企業こそ、この採用難の時代を乗り切れるということでもあるのではないでしょうか。
優秀な人材は、時期に関係なく”攻め”の姿勢で獲りに行くーこのことばを今日の結びといたします。
今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。
※今回のコラムは、ログミーBizの記事を参考に書きました。
https://logmi.jp/business/articles/320733