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2019.01.07 COLUMN

「期待値採用」が採用を失敗に至らしめる

新年明けましておめでとうございます。きょうから仕事始めという方も多いのではないでしょうか。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、いつの時代においても、いい人材を取りたいというのは採用担当者の皆さまにとっての共通した悩みだと思います。中には、採用したのはいいものの、「こんなはずではなかったのでは?」と頭を抱えるケースも少なくないと聞きます。

その頭を抱えるひとつの原因は、実を言うと「期待値採用」にあるのかもしれません。

「期待値採用」とは、採用要件(=自社で成果を出せるかどうかの判断基準)を設計せず、「やってくれるだろう」と思って応募学生を採用することをいいます。

もう少し具体的に言いますと、採用要件を設計せず、成果を出せるかどうかの情報収集をおろそかにして、例えば「美人[イケメン]だから取引先の受けがよくて仕事がスムーズに進められるだろう」とか、あるいは「東大の学生だから、成果を出せるにちがいないだろう」と思って、曖昧な状態で応募学生を採用することです。

たしかに採用するかしないかを判断するのは人間ですから、ルックスのいい異性の応募者や自社に応募してこないような高学歴の学生が現れたら、”心動かされ”、浮足立ってしまうこともあるでしょう。

しかしながら、採用の要諦は、成果を出せる人材を採用することにあります。冷静に考えてみれば、ルックスがいいとか学歴が高いことと、成果を出せることとは必ずしも結びつかないのではないでしょうか。

私が以前に勤務していた企業では、上司が「あの子(=営業担当の若手女性社員)はカワイイんだけど、ストレス耐性が弱くてちょっと手を焼くんだよなぁ。お世辞にも営業成績がいいとはいえないし…」と嘆いていたことを思い出します。おそらくその上司は「こんなはずではなかったのでは」と思っていたことでしょう。それは、採用の視点からすると、成果を出せる人を採用できていなかったという点において、残念ながら失敗であったと言わざるを得ないかもしれません。

だからこそ、採用要件を設計し、面接では過去の経験に焦点を当てて、成果を出せる人材を採用する必要があるといえます。そうすると、「こんなはずではなかったの」ということが減り、採用した人材が貴社の成長を後押ししてくれる可能性が高まるのではないでしょうか。

なお、採用要件の設計については2018年9月25日付のコラムを、成果を出せる人材を見極める面接手法については2018年9月3日付のコラムで詳しく解説しております。よろしければご一読ください。

今週もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。