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2018.11.05 COLUMN

メンタルの強い人を採用するには

そろそろ冬物のコートやスーツを引っ張り出す季節になってきましたでしょうか。季節の変わり目といえそうです。こういうときは、一番風邪を引きやすくなっておりますので、お互い体調管理には気をつけていきましょう。

さて、季節の関係なく一定の割合で発生するのが、気分障害です。気分障害とは、具体的に言うと、うつ病と双極性障害にあたります。前者は、気分の落ち込みが数週間以上続く状態。一方の後者は、うつの状態と躁うつの状態が一週間~数週間周期で繰り返し出てくることを指します。

少々古い話で恐縮ですが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、うつ病などのメンタル不調で休職した社員の42.3%が、休職期間中や職場復帰後に退職しているとのことです(出典:2014年3月18日付 日本経済新聞電子版)。これは企業の経営にとっては、大きな損失となりかねないでしょう。すなわち、成果を出してくれる人材がいなくなるということになります。

逆にいうと、メンタルの不調をきたしにくい社員を採用できると、企業の経営にプラスに働くということがいえるのではないでしょうか。

前置きが長くなりました。今回は、メンタルに強くて成果を出せる人を採用するにはどうすればよいか?というテーマで話を進めていくことにいたします。

まずは、面接で「ストレス解消法」について聞いてみる

まずは、面接で「ストレス解消法」について聞いてみるのがよいでしょう。仕事は、ある意味で逆境の連続です。ストレスとどう向き合うかが、社会人生活を乗り切っていくポイントになるのではないかと考えます。

そこで、ストレスを感じたときにどう乗り切っていくのかについて、面接で尋ねていくのがよいのではないでしょうか。ここで大事なのは、ストレスを解消する内容の良し悪しではなく、手立てをきちんと持っているかどうかです。

ストレス解消の内容は、人それぞれです。極端な話、違法性を伴うものでなければ、何でもいいと思います(ちなみに、私のストレス解消法は、読書、書店めぐり、電車に乗る、鉄道模型、ドライブなど、若干インドア気味です・苦笑…)。

面接でストレス解消法について尋ねたときに、何かしらのストレス解消法が出てくる場合は、まったく問題ないでしょう。

その一方で、「特にありません」とか「ひとまず耐えます」といった回答だと、我慢した結果つぶれてしまって、うつ状態→休職→退職という一途をたどるかもしれません。そうすると、せっかく採用したのに、成果を出してくれなくなるということになってしまい、貴社にとって損失になりかねないと思います。

まずは、面接で「ストレス解消法」について尋ねてみるのもいいかもしれません。

でも、実際のところメンタルが強いかどうかは、ストレス解消法を聞いただけでは測りかねる部分が多いのではないでしょうか。そこで、次におすすめしたいのは、「困難を乗り越えた経験」について面接で尋ねてみることです。

「底打ちの経験」で、ストレス耐性を確認する

最近、面接で「困難を乗り越えた経験」について尋ねるケースが増えています。ある有名通販系企業では、パワーポイントで「困難を乗り越えた経験」のプレゼンを求めたり、有名なウエディング系企業では、面接の前にライフチャートを書いてもらい、それについて説明するといった取り組みがあります。

いずれにせよ、ここで大切なのは、困難にぶつかったときにどう乗り越えてきたかについて、過去の「底打ちの経験」を深掘りして確認することです。

具体的な掘り下げ方としては…、

□過去、どのような困難な経験をしたのか

□それはいつごろの話だったのか

□困難を乗り越えるために、どのような行動を取ったのか

□困難を乗り越えるにあたり、工夫したことは何か

□結果、どうなったか

□この困難を乗り越えたことで得たもの、身についた力は何か

といった感じでしょうか。以前に書いたコラム「成果を出してくれそうな人材を採用するコンピテンシー採用面接のススメ」もご覧ください。

過去の経験には、必ず行動が伴っています。そうした経験=行動は、これからの人生で必ず活かされる部分があるはずです。

社会に出ると逆境や困難の連続だと思います。そこを乗り越える力があるかどうかを、過去の困難な出来事を乗り越えた経験について尋ねることで、ある程度判断しやすくなるのではないでしょうか。そういう意味で、メンタルの強い人を選び出すために、過去の経験を乗り越えた出来事について、深掘りして尋ねていくのは、理にかなっているといえると考えます。

今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。