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2018.11.12 COLUMN

「地域限定正社員」が優秀な人材の確保に一役買う

私どもは、皆様方の採用のお手伝いをしているのに加え、「就勝ゼミナール」という就活塾で、学生の未来づくり、就職のお手伝いもしております。弊社が福岡市に拠点を置くことから、「就勝ゼミナール」には、地元福岡の大学だけではなく、佐賀、熊本、長崎など北部九州各県にある大学に通う学生にも、多く来ていただいております。その「就勝ゼミナール」に通う学生の多くが、地元志向なのです。

本当は福岡で働きたい学生たち

「福岡が好きなので、福岡で働きたいです。姉は広島で働いていますが、私は福岡に残りたい」(西南学院大学・デベロッパー系企業内定女子)

「転勤ありと聞くだけで、将来子育てすることになったときに不安を感じます」(西南学院大学・カーディーラー内定女子)

「東京や大阪に本社を置く大手企業も受けて、内定をいただいたのですが、やはり地元で働きたいという思いが勝って、福岡に本社がある企業に就職することにいたしました」(西南学院大学・通信系企業内定男子、佐賀大学・金融系企業内定男子ほか多数)

このような感じで、地元で働きたいという学生が多いように感じます。転勤があるといっただけで、その企業を受けないという学生もいるほどです。そういう理由で、貴社とのご縁が持てなくなるのは残念ですし、地元志向が高くて優秀な人材を取り逃している可能性が高まっていると思います。

聞けば福岡市を「住みやすい」と答えた人は、97.1%に上っており(福岡市 平成30年度「市政に関する意識調査」)、そうした生活環境のよさも、大いに関係しているかもしれません。

では、どうすれば地元に定着してくれ、かつ優秀な人材を採用できるのでしょうか。そのカギは「地域限定正社員」にありそうです。

実は”高学歴”な学生も多い「地域限定正社員」

「地域限定正社員」とは、正社員として基本的に転勤を伴わず、その地域で働ける社員のことをいいます。銀行や飲食業など、企業によって言い方は異なりますが、いずれにせよ、地元志向の強い学生から高い人気を誇ります。特に銀行の「地域特定職」は、女子学生に人気が高く、弊社の「就勝ゼミナール」からも、過去に数多くの学生が就職しています。

その銀行の「地域特定職」、転勤を伴わず、しかも(企業によっては)転勤を伴う総合職と待遇面で大差がないため、地元で働きたいという学生に人気があります。福岡ですと、九州大学、西南学院大学などといった有名大学の学生も、多く受験し、実際に働いています。

また、首都圏に目をやると、早稲田、慶応、上智などといった名門大学の学生の中にも、「地域限定正社員」を目指す学生が一定数いると聞きました。いわゆる「総合職」を目指せる実力があるにもかかわらず、です。

そういうわけで、「地域限定正社員」は、地元志向の強い有名大学や名門大学の学生も応募してくるため、学生にとっては「狭き門」となり、企業にとっては高学歴かつ優秀な学生を採用しやすい、というメリットがあるといえると思います。

「地元で安心して働ける」というメッセージ発信を

特に九州は、地元志向の学生が多いように感じます。中でも福岡は「紹介経済」「血縁経済」ともいわれており、地元の人たちとのつながりを、より大切にしているように感じられます。

転勤するということは、地元の人たちとのつながりの糸が、いったん切れるということにもなるでしょう。それは、福岡に住む多くの学生にとっては、耐えがたいことなのかもしれません。

そのような地元志向、地元愛が強くて優秀な学生たちを採用するには、「地元で安心して働ける」というメッセージを強く発信していくのが、彼らに響くのではないかと思います。学生によっては、待遇面で総合職と多少差があったとしても、「地域限定正社員」を選ぶ人もいるようです。

今回もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。