コラム / ブログ
COLUMN & BLOG

2018.07.09 COLUMN

採用につながるインターンシッププログラムの基礎知識まとめ

前回のコラムでは、インターンシップの学生満足度が、貴社への応募意欲を醸成し、入社につながることについて触れてきました。今回は、採用につながるインターンシッププログラムをつくっていくにあたり、「これは是非知っておいていただきたい」ことに焦点を当てて話を進めていきたいと思います。

その前に。突然ですが、採用担当者の皆さんに質問です。

「そもそも、御社がインターンシップを実施する目的は何ですか?」

いかがでしょうか。まずは、この問いに対する貴社なりの答えを見つけることから、すべてがはじまります。

といいますのは、思いのほか、インターンシップを実施する目的を考えず、とりあえずやっている企業が多いようなのです。これでは、貴社は「何のためにインターンシップをやっているのか?」、学生は「何のためにインターンシップを参加するのか?」といったモヤモヤした気持ちを抱えながらのインターンシップになりかねません。

企業側がインターンシップを実施する目的は、

「自社のことを学生に知ってもらう」

「応募意欲の高そうな学生を見出す」

「自社はもとい、業界のイメージを変えてもらう」

「社風の良さ、働きやすさを知ってもらう」

「応募先の選択肢として入れてもらう」

など様々でしょうが、まずは何を目的とするかによって、インターンシップのプログラムの作り方が変わってくるはずです。

ここで、一般的なインターンシップの実施時期について触れておきましょう。

インターンシップの多くは夏季と冬季に実施

インターンシップは、学生の勉学に影響を及ぼしにくい夏季休暇期間と冬季休暇期間に実施する企業が多いようです。建前論でしょうが、学生の本分は勉学に励むこと。その勉学に影響を及ぼすような時期にインターンシップをやって、学生を拘束するようでしたら、貴社の評判を落とすことにつながってしまうかもしれません。

また、休暇期間中だと、比較的長期(1週間~数か月単位)のインターンシップを実施でき、応募意欲の高そうな学生を見出しやすいというメリットも考えられます。もちろん、その中で選考に結び付けるというケースもあるでしょう。

弊社が運営する「就勝ゼミナール」の学生の中には、アルバイトや部活動に精を出している学生も多く、それらとの両立に気を揉む人もいるようです。そうした学生の負担を軽減するためにも、夏季休暇期間と冬期休暇期間でインターンシップを実施するというのは、理にかなっているといえるでしょう。

ちなみに、株式会社ディスコの「2019年卒インターンシップに関する調査」によれば、7月~9月の夏季にインターンシップに参加した学生の「参加目的」を尋ねたところ、「業界研究のため」と回答した学生が、51.9%に上ったことがわかりました。

実際、弊社が運営する「就勝ゼミナール」でも、「まだどこの業界に行ったらいいのかがわかりません」(福岡県立大学・不動産会社内定女子)、「自分はどこの業界が合っているのかがわからない。だからこそ、色々見ようと思う」(西南学院大学・金融系企業内定男子)などといった声をたくさん聞きます。だからこそ、学生側は、多くの業界や企業のことを色々知ろうと努めるのです。

一方、12月~3月にかけて実施される冬季インターンシップですと、いよいよ企業側も学生側も”本番”を意識しはじめます。時期が時期だけに、学生は、より本選考のことを意識しはじめることから、参加目的が「その企業のことをより深く知るため(企業研究)」「選考で他の学生よりも優位に立つため」といったものに変容していくようです。

 自社に合うものは?インターンシップの5類型

インターンシップは、以下のように様々なものがあります。

※図は弊社作成

あとは、時期によって、どのようなインターンシップを実施するかにかかってきます。そこでもしっかりした採用計画の設計が必要になってくるでしょう。次回以降、時期ごとでどのようなインターンシッププログラムをつくると、学生の応募意欲を醸成、引いては入社につながっていくのかについて見ていきたいと思います。

「1day」だと学生の心理的な負担が減る

特に、まだ採用活動の序盤戦といえる夏季は、「どんな企業があるのかがわからない」といった学生が多いようです。つまり、業界のことも、貴社のことも「知らない」ですし、「わからない」といえます。

そうした状況を踏まえると、「1dayインターンシップ」で、なおかつセミナー・体験・見学型のプログラムを組んだ方が、学生の心理的な負担が軽減され、多少なりとも応募意欲が高まるといえそうです。

また、「様々な業界や企業を見てみたい」という学生のニーズにも応えられると考えられます。ある意味、本選考前の「プレ会社説明会」として捉えている学生も多いのかもしれません。

一方、「長期インターンシップ」だと、期間が長いだけにより中身の濃いプログラムを組めるということがいえると思います。

「長期」は、実務中心型にシフトすると満足度が上がる

「長期インターンシップ」は、2週間~数か月単位のインターンシップのことをいいます。これだけ時間があれば、自社のことを伝える時間やさまざまな経験ができるプログラムを組めるといえるのではないでしょうか。

株式会社マイナビの調査によると、学生がインターンシップに参加するにあたって最も興味を持つ内容は、4年連続で「実際の現場での仕事経験」(37.7%)だったそうです。その後に続いたのは、「実際の仕事のシミュレーション」(18.2%)で、いずれも実務に関する内容で、働く現場や具体的な仕事内容をイメージしやすいプログラムに惹かれることがわかります。ここには、「こんなはずじゃなかった」といった入社前と入社後のギャップをできるだけ埋めておきたいという心理も働いているのかもしれません。

※株式会社マイナビ 2017年度大学生インターンシップ調査集計結果報告より

もちろん、どこまで学生に経験してもらうのか?という問題が頭をもたげてきますが、やはりこれだけの長い時間を企業に”拘束される”と考える学生にとっては、何かしらの実務経験を積んで、「成長した」という実感や今後の成長につながるヒントを得たいのだと思います。実務中心型にして、(若手)社員からの手厚いフィードバックがあれば、一層学生の満足度が上がって、貴社への応募意欲が増していく可能性があるでしょう。

次回以降は、どのようなインターンシッププログラムをつくっていけば、学生の満足度を上げて、貴社への応募意欲を醸成できるのか、少しずつ具体的に見ていくことにいたします。