「1dayインターンシップ」は、「職場見学型」で学生の満足度アップを!
7月15日に博多祇園山笠がフィナーレを迎え、梅雨明けして、本格的な夏がやってきました。採用担当者の皆様にとっても、2020年卒採用に向け、少しずつ動き出す時期になってきたといえるでしょうか。
前回のコラムでは、「採用につながるインターンシップログラム基礎知識まとめ」ということで、インターンシッププログラムの全体像について見てきました。今回は、夏季に多い「1dayインターンシップ」プログラムについて見ていくことにいたしましょう。
その前に、前回のコラムに書いたこの質問からさせてください。
「そもそも、御社がインターンシップを実施する目的は何ですか?」
この問いに対する答えを準備することから、すべてがはじまります。答えがちがえば、インターンシッププログラムの内容も、企業によって異なってきます。
2018年卒から増加している「1dayインターンシップ」
インターンシップの期間は、一般的なイメージですと、2週間~数か月といったところだと思います。これだと「インターンシップをやってみたいけど、そこまでの時間や社員を投入できない」という採用担当者も多いのではないでしょうか。
ところが、日本経団連が、2017年4月10日に発表した「採用選考に関する指針の手引きの改定について」によれば、「企業が柔軟かつ多様なプログラムを実施できるよう、最低日数要件を削除」とあります。これは、1日限りのインターンシップを実施してもよい、もしくは実施できるということになります。
弊社が運営する「就勝ゼミナール」の学生に話を聞きますと、「1日~一週間程度のインターンシップに参加することが多かった」(福岡大学・化学系メーカー内定男子、佐賀大学・半導体メーカー内定女子など)といった声が多かったようです。1日だけの、いわゆる「1dayインターンシップ」ですと、企業側の負担が少なく、学生も参加しやすいことから、これからも増えていくことでしょう。
では、どのようなプログラムを組めば、学生の満足度を高め、応募意欲を醸成することにつながっていくのでしょうか。
「1day」は、「職場見学型」だと満足度が高い
「1dayインターンシップ」は、本当に一日限りですので、それこそできることは限られてくるのではないかと思います。自社のことを一日で理解してもらおうというのは、なかなか難しいでしょう。
とはいえ、やはり「まずは自社のことを学生に知ってもらいたい」と考えている採用担当者は多いでしょうから、限られた時間の中でもいかに自社のことを伝えていくかが鍵になってくるのではないかと思います。
「1dayインターンシップ」は、ほぼ終日にわたって時間を確保している企業も多いでしょう。2時間程度が平均的で、採用担当者が一方的にしゃべって終わりになりがちな(単独)会社説明会よりも、より多くの情報を学生に伝えられるはずです。「1dayインターンシップ」は、いわば、中身の濃い会社説明会といったところでしょうか。その分、学生は「いろいろなことを知れるのではないか」「ホームページに書かれていないことを聞けるのではないか」と期待してやってくるはずです。
2018年7月6日付の株式会社マイナビ「2020年卒 マイナビ大学生インターンシップ前の意識調査」によれば、興味あるインターンシッププログラム(複数選択可)の上位を「現場の社員に交じって業務を体験する『同行体験型』」(64.2%)と「現場を社員の説明で見学する『職場見学型』」(61.7%)が占めています。
もちろん、「1dayインターンシップ」の中でも、「同行体験型」ができないわけではないでしょうが、学生自身がその会社のことについて少しだけ知っておくのとおかないのとでは、応募意欲が変わってくると思います。そのような意味で、まずは「1dayインターシップ」に関しては、「職場見学型」ですと、学生の満足度を高めることができるといえそうです。
「職場見学型」でも、若手社員と触れ合う時間を多めに
学生は、まずはインターンシップに参加して、その業界や企業で「働くイメージ」をつかみたいと考えています。こういうインターンシップの場では、いいことばかりを言いがちになりますが、業務の大変な部分も含めて学生に伝えてあげることが大切です。学生と年齢が近い入社2年目~5年目の若手社員を担当にすると、学生も話しやすく、明るい雰囲気になりますので、徐々に貴社のイメージアップにもつながります。
もちろん、言えること、言えないことはあるでしょう。そのような制約がある中でも、できるだけリアルな情報を伝えてあげることで、採用におけるミスマッチが防げ、質の高い母集団形成にもつながってくると私どもは考えます。
次回は、一週間程度で実施される短期インターンシップのプログラムについて触れていくことにいたします。