ご存知でしたか?インターンシップの満足度が『母集団形成』に影響することを
昨日7月1日から博多祇園山笠が本格的にスタートしました。弊社のまわりも山笠ムード一色。飾り山が出揃い、いよいよ夏本番といったところでしょうか。6月28日には、早くも関東地方で梅雨明けし、採用活動「夏の陣」が例年以上に早期化することを予感したのは、筆者だけはないかもしれません。
この時期、新卒採用は早くも2020年卒の採用活動が動き始めています。既に6月1日から夏季インターンシップの広報が開始されています。6月中旬から下旬にかけては、インターンシップ向けの合同企業説明会も、数多く行われています。
近年、インターンシップは、企業と学生が知り合う場というものから実質的な選考の場へと変容しています。人手不足により、優秀な学生を早く確保したいと考えている企業にとっては、ますます後者の色合いを濃くしている感があります。
ということは、インターンシップの段階から、既に学生の獲得競争がはじまっているといえそうです。そう考えると、インターンシップの満足度は、貴社の「母集団形成」に少なからぬ影響を与えていると考えることができます。(※ここでいう「母集団形成」とは、自社の採用試験に応募してくれる新卒学生の数のことをいいます)
では、学生は、インターシップのどういったところに満足感を覚え、「インターンシップ先の企業を受けてみよう」という気になっていくのでしょうか。以下、見ていくことにいたしましょう。
社内見学、座談会、実務経験を組み合わせると満足度が2倍近くに
株式会社ディスコの調査(2018年3月)によれば、インターンシップのプログラムが、「講義・グループワーク」の組み合わせのみだと、「大変満足」と回答した学生が25.9%だったそうです。それに対し、それらに「社内見学・社員との座談会・仕事体験(実務を含む)」を加えたものだと49.8%に上ることが明らかになりました。
実際にインターシップに参加した「就勝ゼミナール」の学生の声を紹介いたしましょう。
「インターンシップでは、営業同行の経験までさせてもらったのがよかったです。志望度の高い企業だったので、働くイメージが湧いて、この会社の一員になってみたいと思うようになりました」(山口大学・銀行内定男子。実際、この学生さんはインターンシップ先の銀行に入行いたしました)
「インターンシップに参加すると、事業領域の広さ、地域への貢献度の高さなど、今まで知りえなかったことを知れてよかったです。社員の方々と接していく中で、自分自身仕事をしていて楽しいだろうなというイメージが湧きました」(西南学院大学・大手旅行会社内定男子)
「最初は公務員志望だったのですが、インターンシップに参加する中で、公務員は何だかちがうなと。たまたま参加した銀行のインターンシップで、お会いした銀行マンの方からお話をたくさん伺い、民間志望に切り替えました。今にして思えば、この判断でよかったと思っています」(西南学院大学・大手印刷会社内定男子)
こうした、実務的な就業経験を絡めていくと、学生自身が、実際に働くイメージを描きやすくなり、応募意欲の向上につながるのではないでしょうか。と同時に、貴社と学生のミスマッチを防げ、質の高い「母集団形成」にも貢献していくことになるといえましょう。実は、インターンシップの満足度と貴社の「母集団形成」には、深い相関関係があるようです。
インターンシップの満足度と貴社の「母集団形成」は比例する
先に紹介した株式会社ディスコが、参加したインターンシップの満足度とインターシップ参加後の志望度との関係を調査・集計しています。その結果、満足度の高い企業ほど「この企業に就職したい」と答えた学生は、60.8%に上ったそうです。
一方、インターンシップの満足度の低い企業ほど「この企業に就職したくない」と答えた学生は、66.9%に達したとのことです。
※グラフは、株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 2019年卒特別調査「インターンシップに関する調査」(2018年3月発行)より
ここで再び「就勝ゼミナール」の学生の声を紹介しましょう。
「インターシップに参加してみたものの、思っていたのとはちがっていた。逆に参加したことで、そういうことがわかったという点ではよかったのかもしれませんが」(福岡県立大学・不動産会社内定女子)
「内容が半端なく高度で、ついていくのが難しかった。技術的なことよりも、実務的なところをもっと知りたかった」(西南学院大学・IT系企業SE職内定男子)
「何だか仕方なくインターシップやってます、という感じの企業だった。もっと若手社員と話す機会があればよかった」(九州産業大学・銀行内定男子)
以上のことから、インターンシップの満足度と「母集団形成」には、深いつながりがあるということが明らかになってくるのではないでしょうか。
では、インターシップでは、どのようにプログラムを組み、学生と接していけば、貴社の「母集団形成」へとつながっていくのでしょうか。次回以降のコラムで、じっくり触れていきたいと思います。
それでは、また次回、お目にかかりましょう。