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2019.08.12 COLUMN

「オヤカク」どうしてますか?

「オヤカク」―ここ数年、学生の口からよく出てくる言葉のひとつです。私が「就勝ゼミナール」の学生と接していたときは、何のことだかさっぱりわからず、学生に聞き返していたことがあります。

「オヤカク」とは、企業側が内定を出した学生に対し、「親御さんは、当社の入社について承諾してくれたか」を確認するものです。親御さんから「そんな会社に入るのはやめなさい」と言われ、内定を辞退されるケースが、ままあります。弊社の「就勝ゼミナール」にも、親の意向で内定を辞退したという学生は、一定の割合でいました。

ちなみに、地場の有名食品会社は、面接の時点で「親御さんは弊社に対してどんなイメージを持っておられますか?」と聞いたそうです。

そのような感じで、企業側も「オヤカク」のために「企業参観」を実施している企業があるそうです。

タクシー業界大手の国際自動車株式会社(本社・東京都港区)は、月に1回、学生の両親も参加できる「オープンカンパニー」を開催しているそうです。毎回20組〜30組の家族が参加しているとのこと。国際自動車株式会社の渡邉啓幸専務は、次のように述べています。

企業の実情を正しく伝える

息子さんや娘さんから「大学を卒業したらタクシードライバーになりたい」と言われて、反対されるご両親は多いのですが、現場で活躍している先輩や新卒社員の姿や工場のハイテクな設備を見ることで、当社の就業環境、メカニック技術や安心安全への姿勢を実感できると思います。参加者アンケートでは8割以上の方から「タクシー会社へのイメージが変わった」という回答をいただき、なかには「息子を安心して預けられます」とおっしゃってくださる方もいます。まだまだ内定辞退率は低いとはいえないのですが、職場の実情を正しく伝えていくことは最低限必要なことだと考えています。(2019年7月11日付日本の人事部より)

人材獲得に必死なのは、学校も企業も同じ

最近は、大学・専門学校も、少子高齢化で学生の獲得に必死になっているのでしょうか、以前よりも頻繁にオープンキャンパスを行っているところが多いように感じます。中には、ほぼ毎月のようにオープンキャンパスを実施している専門学校もあるようです。オープンキャンパスのねらいは、少しでもその学校の魅力を知ってもらって、入学につなげていくというものですが、スポンサーである親御さんと同伴で来ている学生も少なくありません。

百聞は一見に如かずとはよくいったもので、親御さんに子息が勤めるであろう会社の実情を見てもらい、情報提供することで、「オヤカク」が得やすくなるかもしれません(もちろん、逆のケースもあるでしょう)。職場の「企業参観」というのは、学生・企業・親御さんの「三方良し」という意味では、良い取り組みだと思いますが、中小企業の採用担当者の負担が増えることを考えると、なかなか難しい面もあるのかもしれませんね。

今週もお読みいただきありがとうございました。また来週お目にかかりましょう。事故やケガに気をつけて、よい夏休みをお過ごしください。