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2020.10.20 COLUMN

在宅勤務/テレワークにおける人事評価制度の問題点とは

在宅勤務/テレワークにおける人事評価制度の問題点とは

部下の仕事の管理や評価において、よく取り上げられる問題点は大きく3点に分けることができます。

① 勤務態度や勤務時間など、仕事に対する姿勢
② 部下の仕事のプロセスや成果の状況
③ 部下とコミュニケーションをとる時間

具体的には下記のような事項です。

・部下の勤務態度や仕事ぶりが把握できない
・部下と他のチームメンバーのコミュニケーション状況が把握できない
・部下のモチベーションや感情面が把握できない
・部下の仕事に対する時間の使い方が把握できない
(本当に仕事しているのか?という不安)
・部下の仕事の目的や成果、プロセス状況を細かく把握できない
・部下が正しく相談や報告を上げてきているかがわからない
・部下と仕事外の雑談や今の仕事とは直接関係ない将来的な目標などを話す機会が減った

もっともな内容ではありますが、果たしてこれらはすべて「在宅勤務/テレワークの定着」が原因でしょうか?

人事評価制度における問題点が在宅勤務/テレワーク由来なのか

まず、人事評価制度の問題点としてあげられる項目が、在宅勤務/テレワーク由来なのかどうかをそれぞれ考えてみましょう。

在宅勤務/テレワーク由来の可能性が低い人事評価制度の問題点

「部下の仕事の目的や成果、プロセス状況を細かく把握できない」
「部下が正しく相談や報告を上げてきているかがわからない」

「その日に取り組んでいる業務」「何を考え何の目的達成ができたか、あるいは何の目的達成ができず困っているか」などについては、日々のオンラインMTGや業務日報などから読み取れないでしょうか。そのため、在宅勤務/テレワークが原因で人事評価の問題点となる可能性は低いと考えられます。

むしろ、在宅勤務/テレワーク前提であれば、対面や内線電話で発生しがちな、余計な差し込み業務や外出を伴う訪問業務等が少なくなっている可能性が高く、これまで以上に部下と向き合う時間を増やせるかと思います。

在宅勤務/テレワークになって把握がしづらくなった面もある前提で、これまでも把握できていたのか、把握するための仕組みが整っておらず、上司の主観的なジャッジの要素が強くなかったのか、という点については検証が必要でしょう。

当然、物理的に離れていることで、これまで得られていた言葉以外のコミュニケーションによる情報が得られにくいのは事実です。ただ、これによって全く人事評価をすることができなくなるということであれば、そもそもの実施や導入、運用体制に問題点がある、と考えたほうがよさそうです。

在宅勤務/テレワーク由来の可能性が高い人事評価制度の問題点

「部下の勤務態度や仕事ぶりがわからない」
「部下の他のチームメンバーとのコミュニケーション状況がわからない」
「部下のモチベーションや感情面が把握できない」
「部下と仕事外の雑談や今の仕事とは直接関係ない将来的なアイデアなどを話す機会が減った」

これらは、在宅勤務/テレワークが原因で人事評価の問題点となる可能性が高いものでしょう。
当然、同じ場所で同じ時間を共有する時間が長ければ、各メンバーの働いている姿を観察したり、周囲とコミュニケーションをとる状況や顔色から察したりする情報も多くなると考えられます。

また、

・在宅勤務/テレワークによるオンラインMTGは、どうしても主目的のみの会話で完結するため、相手の深いところまで理解が及びにくい
・在宅勤務/テレワークによるコミュニケーションは、どうしても決められたメンバーとの会話となる

といったように、これまでより部下の内面について、部分的な情報による理解が多くなることは想定されます。

一方で、勤務態度や部下のモチベーション・メンタルは、どこまで人事評価に反映するべきなのでしょうか。

明日は、その点についても述べさせていただきます。