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2020.06.17 COLUMN

目標設定を具体化させる5つのポイント「SMART」とは?

前回は、目標設定に必要な3つの要素を書かせていただきました。今回は3つの要素を踏まえて、より具体的な目標設定にしていくためのセオリーをまとめています。  

目標設定のセオリー「SMART」 

SMARTとは目標設定に必要な5要素を表します。以下に説明する項目の、それぞれの頭文字を取ってSMARTと表現をしているのです。 

SMARTの詳細解説 

S:Specific(特定、具体化) 

目標を明確に、詳細に落とし込むこと。 

「年間売り上げの20%成長」などが企業の全体目標として掲げられるのは良くあると思います。これはスローガンとして従業員に共有しやすい目標ではありますが、Specificの観点で見るならば具体性が足りません。色々と補足する必要がありますが、まずは5W1Hのような、具体的な案を出さなければなりません。 

  • 手段:どんな手段をつかって目標を達成するのか 
  • 期間・期限:どのくらいの期間をかけて 
  • 人的資源・物的資源:どのような人員が関与すれば達成可能か 
  • 物的資源:どの程度の活動量にするのか 

などが事細かに説明できる目標になっていなければなりません 

この目標設定が的外れなものになってしまうと、活動自体の効果が薄くなってしまいます。 

M:Measureable(測定可能であること) 

目標達成のために行う活動結果が、定量的に測定可能であること、がMの意味合いです。たとえば、「目標達成のためにお客様へのコンタクトを月50件実施する」などの努力目標を立てたとします。しかし、その目標はプロセスとしての目標でしかありません。プロセスが達成できたとしても、売上の20%成長のためにどれだけ貢献できたのかが見えてきません。ではどのような目標であれば、測定可能なのでしょうか?定量的に測定したいのが何なのかを念頭に考えなければなりません。そしてこのMeasurableは、後のRとも関連してきます。 

必然的に目標設定は細かくなっていくのですが、 

  • 売上の20%UP=実際の金額を達成するために、お客様へのコンタクトを50件 
  • そのうち見積もり提示できた提案件数を〇〇件目標 
  • そのうち受注できる件数を〇件目標で×××万円の売上上乗せを実現 

というような設定の仕方をするのが良いでしょう。 

A:Achievable(達成可能であること、現実的かつチャレンジングな目標) 

この要素は活動を実際に行う担当者のモティベーション維持について考慮しています。企業によっては、以下のように目標が決められていく会社もあると思います。 

会社が達成したい目標が最初に決められる
 ↓
部門に目標が割り振られて落ちてくる
 ↓
そのまま現場に目標として落とす 

この目標自体が適正であればいいのですが、経営者の考える目標は時として、目標ではなく願望であることもあります。 

そのため、かなり無茶な目標設定になっていることも往々にしてあります。 

そのような失敗をなくすためにあるのがSMARTです。 

「担当者がしっかりプロセスをこなせば、実現可能である」 

「厳しい目標だけど、真剣に取り組めば達成できるかもしれない」 

このように現場が感じてくれる目標設定がとても重要です。 

R:Result Oriented(最終目標に関連した目標であること) 

Rは最終目標に関連した目標であることです。 

もう少し分かりやすく言い換えると、「ゴール達成のためにクリアすべき設定目標であること」です。 

そして、その目標設定はM(測定可能であること)でのみ測定可能であり、R(ゴールを達成するための具体的な目標設定になっていること)が重要です。 

T:Time setteing(期限が設定されているか) 

最後のTは、期限を区切って活動の振り返りや進捗管理を行う事を忘れない、という事です。 

立派な目標を立てても、 

「いつのまにか進捗確認などが適当になってしまった」 

「確認だけしていて、途中経過はあまり良くないけどうやむやになっている」 

「いつの間にか誰も触れなくなった」 

のようなことは経験がありませんか? 

時間を区切って、進捗を管理して最後までやりきるべきです。 

全員の合意の上で一度走り始めたのであれば、この作業を忘れないようにやり切ってください。 

以上5つがSMARTの全容です。 

重要なので再度、要約します。 

SMARTとはアクションとしては5つのアクションで定義されています。 

しかし実際に現場とマネージャーがやらなければいけない事は、以下の7つになるかと思います。 

  1. 「最終的なゴール(大目標)」を定義する 
  1. 「ゴールに近づくためにしなければならない事」を定義して作業プロセス目標とする 
  1. 「しなければならない事」の詳細を洗い出す 
  1. その頻度や方法を詳細に詰めていく 
  1. 行動する 
  1. 行動の進捗を振り返る 
  1. 問題があれば修正し、目標達成のための監督を怠らない 

このようなフローが、様々な目標設定のための基本的な考え方です。ぜひご記憶いただければと思います。