採用直結インターン廃止の衝撃!今こそアルバイト生の活用を!(後編)
前回のコラムの続きです。
前回から、採用直結インターン廃止(予定)を見越した、アルバイト生の活用について述べてまいりました。今回は、アルバイト生の採用にあたり、注意していただきたい点について触れていくことにいたします。
その1:ミスマッチを避けるために、真実を具体的に書く
やはり、お互いのミスマッチは避けたいところです。入社した後に、応募者側から「こんなはずではなかった」となって、離職されてしまうと、せっかくの時間と労力が水の泡になってしまいます。
そこで、以下の項目は、お互いのためにも明記しておいた方がよいでしょう。
- 勤務条件
- 待遇(特に時給、交通費支給の有無など)
特に、お金にまつわる部分は、後々トラブルになりやすいと思います。昨今は、(腹いせに)ツイッターやフェイスブックなどのSNSに投稿され、あっという間に貴社の評判を落とすというケースが出てきているようですので、なおのこと気をつけておくべき項目です。
これは10年以上前の話ですが、実際、私が過去に勤務していたある会社で、人事から言われた待遇と実際の待遇が大きく異なっていたことがありました。その会社の内情をよく知る、ベテランの準社員に聞いたら「ウチの会社って、そういうことってよくある」と言われ、驚愕したことがあります。今の世の中だったら、何かしらのかたちで”通報”されかねないでしょう。
だからこそ、必ず見られ、後々トラブルになりやすいであろう勤務条件と待遇は具体的に記載することが大事です。
その2:ターゲットに向けた内容にする
どんな人に来てほしいのか?ここを明確にするとよいでしょう。
ターゲットが曖昧ですと、応募する側としては「誰に向けたメッセージなの?」とモヤモヤしはじめ、結局、来てほしい、もしくは来てくれるはずの人が来てくれないということになりかねません。
実際、弊社の運営する「就勝ゼミナール」に通う学生の中でも、こんな声を多数聞きます。
「興味のある会社ですが、どんな人に来てほしいのかが良くイメージできなくて。応募書類が上手く書けません…」(九州産業大学・人材系企業内定男子)
「この会社へのエントリーシートを書きたいのですが、どんな人に来てほしいのかがよくわからないので応募を迷っています。入社してからのミスマッチが怖いので」(西南学院大学・化粧品系企業内定女子)
その3:写真や動画で雰囲気を伝える
これは学生に限った話ではないと思いますが、我々は、何かよくわからないものやことに対しては、不安を抱く傾向にあります。見えないものはマネジメントできないのです。
たとえば、何かしらの病気をしたときに、薬を服用するとしましょう。「この薬、よく効きます」と言われても、抽象的すぎて「ホントかなぁ」「どんな症状に聞いて、どう改善されるのかがよくわからない」と不安を抱きますよね。実は、それは就職活動を迎える学生だって同じことだと思います。
そう、学生が応募をためらう理由の一つとしてよく挙げられるのが「雰囲気(=社風)がわからない」というものです。
昨今の就職ナビサイトは、自社の雰囲気が伝わるよう、写真や動画を多く使い、社内の雰囲気やリアルに働いている様子を配信していることが多いようです。それは、先の学生の不安を払拭をしてもらうためでもあり、貴社のことを少しでもわかったうえで応募してもらうというためでもあるでしょう。
もちろん、就職ナビサイトやアルバイト求人媒体でなくとも、自社の求人サイトでも、写真や動画を載せることはできるのではないかと思います。是非、貴社の「リアル」を発信してみてはいかがでしょうか。
その4:応募後の対応が大事
複数内定を獲得した学生の中で、入社の決め手になるのが、採用担当者の対応です。対応が悪いがために、応募や入社を辞退する人は少なくありません。
実際の学生の声を紹介いたしましょう(「就勝ゼミナール」の学生の声)。
「はじめは『この会社大丈夫かな?』と思っていたのですが、採用担当者や社長の対応がとてもよかった。私は3社内定をいただいたのですが、この会社への入社を決めてよかったと思っています」(福岡大学・化学系メーカー内定男子)
「私は3社内定をいただいたのですが、入社の決め手は、人事の対応の良さでした。社会人経験のある母親から『あなたのことを大切に思っている会社に行ったほうがいい』と言われました。その選択は間違っていなかったと思います。逆に、他の2社は、対応があまりよくなかったですね」(西南学院大学・大手電機メーカー内定男子)
貴重な”戦力”を逃さないために、丁寧な対応を心がけたいものですね。
採用直結インターンが廃止になりそうな今だからこそ、アルバイト生の活用について考えるべきときに来たのではないかと思います。前回と今回のコラムが、採用活動の一助になれば幸いです。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。
※今回のコラムは、2月5日付け「Foodist」の記事を参考にしました。