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2020.01.27 COLUMN

会社説明会の満足度を上げるために大切なこと

都心を歩き、電車に乗っていると、リクルートスーツ姿の学生の姿が目立つようになってくる季節ですが、今年はそういう学生を見かける機会がめっきり減ってきたように感じます。それは通年採用だからなのでしょうか、それとも、「説明会は私服でお越しください」とする企業が増えているのからなのでしょうか。電車に揺られながら、そんなことを考える週末のひとときです。

さて、会社説明会のトップシーズンに突入いたします。私が就活生のころ、志望していた某業界では会社説明会を実施するところが少数派でしたが、今はたいていの会社で会社説明会を実施しているようです。ご多分に漏れず、弊社の「就勝ゼミナール」に通う学生たちも、会社説明会に足繁く向かいます。そこで学生たちからこういう声を聞きます。

会社説明会の満足度が母集団形成に影響する可能性

「会社概要やパンフレットの中身を読んでいるだけのようだった」(福岡大学、人材系企業内定男子)

「とりあえず惰性でやっています、という感じが透けて見えた」(西南学院大学、大手電機メーカー内定男子)

「あまり質疑応答の時間がなく、後で個別に採用担当者に連絡することになった。出席者が多いので、致し方ないでしょうが、これはこれで煩わしさを感じます」(西南学院大学、IT系企業内定女子)

一方で、会社説明会の満足度が高いと、学生自身が「採用試験を受けてみよう」という気持ちになり、引いては母集団形成につながっていくようです。

「時間を少々オーバーしても、学生の質問に丁寧に答えてくれていた。外向けの対応かもしれませんが、受けてみようという気持ちにはなりました」(西南学院大学、地場大手デベロッパー内定女子)

「若手社員の方が対談方式で、ぶっちゃけトークを繰り広げていた。時々学生も巻き込んでくれて、聞いている側としては楽しかった」(九州産業大学、人材系企業内定男子)

「やはり実際に担当者に合って色々聞きたい。質問や座談会があるのがよかったです」(福岡大学、銀行内定女子)

これは、一方的に知識のシャワーを浴び続ける学校の授業を嫌がるのと同じ理屈ではないでしょうか。一方的に説明したり、会社案内を読み上げたような会社説明会は、応募学生からの評判を上げるばかりです。

では、どうすればよいのでしょうか。それは、質疑応答や座談会の時間を多めに取ることではないでしょうか。

応募学生が「話せる場」をつくる

製造業の資材調達にまつわる問題をITで解決するキャディ株式会社で、人事責任者である安藤宏樹氏は、以下のように述べています。

「そうですね、参加者が「話せる場」であることが重要だなと思います。テーマに対して登壇者が一方的に話すだけでなく、グループに分かれて皆で話す時間をつくるとか。

キャディのミートアップは、プレゼン時間より質疑応答や座談会のほうが長いです。最初の頃にアンケートで「もう少し他の参加者と交流したかった」と書いてあるのを見て、次回のミートアップですぐ形式を変えました。その後から、「沢山話ができて良かった」などの声が増えていって」(2020年1月22日付「キャリアハック」より)

会社説明会に、ある種の体験的な要素を取り入れるということでしょうか。職業体験が絡んでくるインターンシップとは趣を異にしますが、学生が発話できる、企業の人と話ができるというのは、学生にとって得難いことなのではないかと思います。

また、学生が企業説明会で企業の担当者にインタビュー形式で質問できる「インタビューワーク」を取り入れたりするのも面白いかもしれません。これは学生の聞く力や書く力がアップするというおまけもついてきたりするのですが、自ら企業の担当者に聞きに行くという体験を取り入れることで、学生の情報収集意欲に火がつき、説明会そのものが活気づくということがいえるでしょう。

今週もお読みいただき、ありがとうございました。今後、本コラムは、不定期掲載となりますが、引き続き採用担当者の皆様にお役に立てるような情報を配信していけたらと思います。それでは、また会う日まで…。