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2020.01.20 COLUMN

中小企業こそ「会いに行ける採用」を

街でリクルートスーツを来た学生さんをちらほら見かけるようになりました。2021年卒採用が少しづつ動き出しているようですね。これから採用のトップシーズンを迎えることになります。通年採用と現行のルールが同居する中での採用活動となりますが、体調管理に気をつけて乗り切ってまいりましょう。

2021年卒採用も、相変わらず学生優位の「売り手市場」です。採用の手法が多様化している中、非常に興味深いデータがありました。

株式会社マイナビが発表した「2020年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によれば、「次年度重点を置く採用手法」として最も高かった回答の割合が、合同企業セミナー(63.8%)でした。これは前年比で約20%増えております。

一見すると、とてもアナログで最も古そうに見える採用手法ですが、ここにきて合同企業セミナーに重点を置く背景がどこにあるのでしょうか。

「検索」しても出てこない

株式会社マイナビのリサーチ&マーケティング部の東郷こずえ氏は、以下のように述べています。

「マイナビでも2万社くらい掲載されているんですけど、その中から企業を探す時って、最初はよく知っている大手企業から探すのは否めないと思うんですね」(2020年1月9日付NHKオンライン「大学生とつくる就活応援ニュースゼミ」より)

これはある意味致し方ないことだと思います。グーグルやヤフーなどのいわゆる検索エンジンサイトで「検索上位」に出てくるくらい、難易度の高いことなのかもしれません。

先のマイナビの東郷氏は、こうも述べています。

「検索していて、偶然、企業と出会うってことはほぼないと思うんですよ。志望していない業種は検索しないし、行く気のない地域の企業って検索しないですよね」(2020年1月9日付NHKオンライン「大学生とつくる就活応援ニュースゼミ」より)

ヤフートピックスで自分の見たいニュースしか見ないのと同じで、学生も、志望していない業種や地域の企業を見ることは、おそらくしないでしょう。そうすると、自社にとって「検索」されない⇒目にしてもらえない⇒学生に会えるチャンスが減る、機会損失ということにつながりかねません。

では、どうするか。学生との「偶然の出会い」があるかもしれない合同企業セミナーで、学生に会いに行くということになります。

何百万の1か何十分の1か

試しにグーグルで、学生に人気の高い食品系企業で「食品メーカー 新卒採用」で検索してみました。そうすると、約5,860,000件あり、検索上位に出てきたのは、誰もが知る企業ばかりでした。この中で自社を見つけてもらったり、知ってもらったりするのは、至難の業と言えるでしょう。

一方、合同企業セミナーだと、その数字は一気に減ります。例えば、福岡ならヤフオクドームやマリンメッセなどで開催されるものだと400社程度、大学主催のものだと40〜50社程度、小規模なものだとそれよりもっと数が少なくなります。つまり、「主戦場」を変えることで、それだけ学生に接触できる、知ってもらえる割合がぐっと高まるということがいえます。

▲弊社でも小規模合同企業セミナーを実施しております。

学生にも企業にとっても「会いに行ける採用」

某人気アイドルグループの「会いに行けるアイドル」よろしく、合同企業セミナーは、学生にも企業にとっても「会いに行ける採用」です。弊社の「就勝ゼミナール」の学生に話を聞くと、「たまたま友達と立ち寄った企業の話を聞いたら、思ったよりよさそうな企業だったので、受けてみることにしました」(福岡大学・ブライダル業界内定男子、筑紫女学園大学・ホテル業界内定女子など)といった声がありました。

今はネットの時代ですが、逆に情報過多で学生自身も迷ってしまうかもしれません。「主戦場」を変えた採用が、貴社の採用につながる可能性があるといえましょう。

今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。