360度評価運用時に気を付けたい【フリーコメント】活用とは?
ポイントは「具体的なエピソードを記入」 納得感のあるフィードバックにできるか否か
人事の経験や評価の知識がない社員にとって、部下や同僚の定性的な評価は難しいものです。評価者研修を全員受けているのなら良いかもしれませんが、実際はそこまで教育がいきわたっていない企業も多いのではないでしょうか。
評価の知識がない社員がいきなり他者を評価しようとすると、印象や好き嫌いでの評価になり、人格や能力の話になってしまうことが多く、人材育成につながらない原因にもなります。
納得感のある評価をするためには、抽象的な指摘だけではなく具体的なエピソードを記入するのがよいでしょう。
何をどう変えたら改善になるのか
例えば、これからは柔軟な人間になるぞ!と行動を変えていこうとしたときに、具体的に何をどう変えたら、つまり今度のケースはこうだったが次には、それをこう変えていければよい、ということが分からない。フィードバックも多くあり、ただ時間が経ってゆくことがあります。
どんな点が此の場合、保守的か、柔軟かの認識が千差万別なのです。求めているものがあるとしたら尚更、そこに乖離が出ます。
評価=具体的なフィードバックかどうか。
全体的なイメージとしては十分に把握できたし、自分としても納得もする部分が多いですが。問題は単なるイメージに留まってしまっていて具体性がない点です。
例えばどんなシーン?それも評価の対象となっているこの半期の?。
それは自分で想像するしかない。そこが各人にまかされてしまう状態では無意味だしもっと悪い方向に向かっていくこともあり得ます。
では具体的にどのようなシーン(例えば此の半期で)をどう変えれば良いか、具体的に深めてゆくためには。それぞれに具体的なケースが(たとえば自由記述で)あれば非常に有意義です。ポイントは5W1Hの視点を盛り込むことです。もし、この視点での物事の整理やアウトプットが苦手な社員が多い場合は時期尚早かもしれません。それもない状態では、”何となく”柔軟性がない、保守的だ、自分を開示しない、という一般イメージだけが伝えられていて、「で、何を、どうすれば??」と被評価者はなります。求めるものが開示されていない中で被評価者の弱点が洗い出されるという、残酷な状態に陥ります。
単なる弱さ指摘/日本特有のマイナス指向
対象者に漠然と弱さを伝えながらその具体的なケースが共有できないのでは、改善方針も漠然としてしまい結局何の役にも立たない状態を招きかねません。
あなたにはそんな傾向があります。という程度の情報に留まっていて、改善を目的とする場合には、もっと突っ込んだケースごとでのフィードを含めて行う方が良いです。つまり半期に一回のではなく、接点のある関係するメンバー(と経営陣、管理職)と月1回くらいでやった方が良いです。その結果、本人の納得度も大幅に上がり、改善ポイントも具体的に明確になり、組織が求めるもの、本人が改善する方向の双方向、つまり全体で良い方向にむかうのではないでしょうか。
導入してからの運用の見直しが肝になります。ぜひ、関係者を巻き込みながら効果的な運用に近づけていくための参考にして頂けると幸いです。
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