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2020.01.14 COLUMN

2020.1.13 カスタマーファーストの精神で採用を成功させる(後編)

前回の続きです。前回のコラムでは、カスタマーファーストの精神で採用を成功させるには、エンプロイージャーニー(=入社から活躍までのキャリアプランを見せたり考えたりすること)について触れてまいりました。

そうはいっても、なかなかカスタマーファーストを実践するのは難しいといった感じではないでしょうか。その答えを、ビジネスリサーチラボの伊達洋駆社長がこのように述べております。

「大学1.2年生にとって、どのような情報や支援があるとよいのか、といったことから考えるとよい」(2019年12月18日付「日経Biz Gate」より)

つまり、彼らが何を欲しているか?を考えてみるとよいということになります。それは、弊社が運営する「就勝ゼミナール」に通う学生の声を拾ってみると、見えてくるのかもしれません。

学生の声「自己分析をどうするか」

私が過去5年間で500名近い学生に接した感じですと、圧倒的に多かったのが「自己分析をどうやったらいいのかがわからない」「自分は何をしたいのかがわからない」という声でした。

ここで「就勝ゼミナール」の学生の声を紹介いたしましょう。

「いきなり面接で『入社してやりたいことはなんですか?』って聞かれても困ります。何をしたいのかを今まで考えて来なかったので」(久留米大学、医薬品卸商社内定男子)

「自己分析のやり方を教えてくれる人がいないので困る」(西南学院大学、IT系企業内定女子)

「何だかろくに泳ぎ方もろくに教わらずに、海に放り出されて『いきなり泳げ』と言われているようなものですよね」(九州大学、公務員内定男子)

大学に進学するまで、いわば偏差値という名のものさしがありました。例えば、自分の偏差値が50なら、偏差値45〜60までの大学を受験するといった感じです。

ところが、就職試験になると、途端にそれがなくなります。もちろん、企業を偏差値でランク付けするというのは、私は失礼極まりない話だと思うのですが、学生にとっては、いわば梯子を外されたような感じでしょうか。そこに「やりたいことを考えよう」と言われると、ほとんどの学生が戸惑ってしまいます。私だって、学生のときはそうでした。これは学生にとって、酷なことだと思うのです。

そんな彼らから「自己分析どうしよう」といった声が出てくるのは、当然でしょう。そんな自己分析をインターシップやセミナーで実施したりすると、学生の満足度を大きく上げることにつながってくるのではないでしょうか。

私が聞くところでは、インターシップを「自己分析セミナー」と称したりする企業もあるようです。そうした企業のインターシップやセミナーに参加した「就勝ゼミナール」の学生の声を聞くと、概ね「参加してよかった」(西南学院大学、大手電機メーカー内定男子)、「実際にその企業を受けるかどうかはこれから考えますが、自分のやりたいことを考えるいいきっかけになりました」(九州産業大学、大手飲料メーカー内定男子)といった声が多かったように思います。

ニトリホールディングスの永島寛之組織開発室室長/人材教育部部長は「1.2年生が一番求めるのは自分が何をしたいのかということを自己分析することだ」と述べています(2019年12月18日付「日経Biz Gate」より)。学生のニーズを的確に捉えているといえるでしょう。

情けは人のためならず!?

また、先の永島氏は「キャリア支援をした学生が他社に就職することもあるが、口コミで次々と学生が自社に興味を持ってくれるようになっている」(2019年12月18日付「日経Biz Gate」より)とも述べています。

学生のためを思って自己分析したり、キャリア支援したりすることが、結果的に貴社への母集団形成や応募時における満足度アップ、引いてはいい顧客になってくれる可能性まで考えられるかもしれません。まさに、情けは人のためならずといったところでしょうか。

今週もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。