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2019.09.24 COLUMN

貴社にとって「優秀な人材」とは何か〜「佰食屋」の中村朱美代表から学ぶ〜

2021年卒採用から事実上の「就活ルール」が撤廃され、通年採用がスタートいたします。かけっこに例えていえば(そろそろ秋の運動会シーズンですね)「よーいドン」のテープがなくなり、常に競争状態にあるといっても差し支えないでしょう。そうすると、我先に「優秀な人材を」と言わんばかりに、人材獲得競争が激しさを増してきます。

そこで今回は、貴社にとって「優秀な人材」とは何なのかについて考えていくことにいたしましょう。

そもそも、貴社における「優秀な人材」とは何なのでしょうか?

・リーダーシップを発揮できる

・問題解決能力が高い

・コミュニケーション力がある

・発想力が豊かである

・高学歴である

などなど色々出てくるはずです。

企業によって、企業理念や経営ビジョンにちがいがあるのと同じように、「優秀な人材」の定義も異なってくると思います。これはこれで至極当然のことでしょう。

ただ、問題なのは「優秀な人材」の定義付けや基準の設定を行っていない、もしくは曖昧になっているというケースです。

例えば、どの企業の採用担当者が口を揃えて「求める人材」のひとつとして挙げる、「コミュニケーション能力」がわかりやすいかと思います。

日本経団連が毎年実施している「新卒採用におけるアンケート調査結果」によれば、選考にあたって重視する点の第1位が「コミュニケーション能力」(16年連続)です。

私が就活生だったころ「コミュニケーション能力」という抽象的なことばがあまりにも独り歩きしはじめ、疑問に感じ、大学での合同会社説明会で「御社のいうコミュニケーション能力って何ですか?」と質問したことがあります。すると、大多数の人事採用担当者がお茶を濁すような曖昧な回答をしていました。モヤモヤしながら会場を後にしたことを今でもよく覚えています。

してみると「優秀な人材」という言葉も抽象的で、定義づけや基準の設定を行っているところは、果たしてどれだけあるのだろうか?という疑問が湧いてきます。

ステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)」の中村朱美代表は、以下のように述べています。

そもそも考え直さなければならないのは、「優秀な人材」という漠然とした言葉を使っていること自体です。
「優秀な人材」って、会社の目指す方向や価値観によって当然違ってくるものじゃないですか。それをいかに適切に定義して、明確にできるかどうかは、労働者人口が不足するこれからの世の中において、とても重要なことです。(2019年8月9日付Yahoo ニュース(PHP Onlile 衆知転載より))

私は、これは採用において、非常に示唆に富む話だと考えます。「優秀な人材」がほしいのは、どの会社にも共通することでしょうが、その中身や基準は、企業毎で異なるのではないでしょうか。だからこそ、そうしたものを明確に設定し、適切な採用を進めていくことが必要なのではないか。それこそ、本当に来てほしい人材に出会える確率も高まるのではないかと思うのです。

ちなみに、先の「佰食屋」の中村代表は、以下のように述べています。

佰食屋にとって「いい人」つまり「優秀な人材」とは、真面目に業務に取り組める人、人にやさしくできる人、地道な仕事をおろそかにせず丁寧にできる人のことです。(2019年8月9日付Yahoo ニュース(PHP Onlile 衆知転載より))

とても優しい印象を受けるのは、私だけでしょうか。

今回のコラムが貴社の採用のお役に立てれば幸いです。

今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。