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2019.09.02 COLUMN

今こそインターンシップの本質を考えてみる【前編】

2020年卒採用は第4コーナーに差し掛かり、次の2021年採用に向けて動き出しいている採用担当者の方も多いのではないかと思います。2021年卒から、事実上、採用活動におけるルールが撤廃となることから、戦いは既にはじまっているということになるでしょうか。

秋口から冬場にかけて、インターンシップを企画している企業も多いのではないでしょうか。このインターンシップ、やってみたところで「そこから誰も採用できなかった」という残念な話を時折耳にいたします。そこで今回は、インターンシップの本質について考えていくことにいたしましょう。

そもそも、インターンシップとは何なのでしょうか?文部科学省・厚生労働省・経済産業省が、平成26年(2014年)に改正した「インターンシップの推進に当たっての基本的な考え方」によれば、以下のように定義されてます。

「一般的には、学生が企業などにおいて実習・研修的な就業体験をする制度」

いわば、「お試し就労」といっても差し支えないでしょう。

採用活動の「後ろ倒し」がインターンシップを変質させた

いわゆる通常のインターンシップは、文字どおり「お試し就労」といったところで、ひとまず企業での就労体験をしたり、実際に働いている社員から話を聞いたりといったところでした。

ところが、2016年卒採用から、インターンシップの内容に変化が訪れます。

記憶に新しいところかもしれませんが、2016年卒採用において、日本経団連が示したいわゆる「就活ルール」は、8月会社説明会解禁、10月面接解禁といったものでした。それまでの12月会社説明会解禁、3月面接解禁といったスケジュールから半年近く後ろ倒しに変更された格好です。

ただ、このスケジュールは、あくまでもお咎めなしの紳士協定であって、日本経団連に加盟していないその他大勢の企業にとっては、守らなくてもいいことです。

そこで、「このスケジュール感だと、採用活動に支障をきたす」「大手企業に優秀な人材を持っていかれる」と危機感を抱いた企業の採用担当者が、インターンシップを実質的な選考の場と捉えました。実際は「選考とは関係ありません」と言いながら、インターンシップに参加してくれた学生には、その後の選考を優遇するといったことが、数多く見られたようです。弊社の運営する「就勝ゼミナール」でも、そうした優遇を受けたという学生が数多くいました。学生たちの声を紹介しましょう。

「最終面接を受けた後に、採用担当者から、インターンシップでの態度や取り組みが良かったから、内定を出しますと言われました」(山口大学・地銀内定男子)

「参加することすら難しいインターンシップで、参加するにもエントリーシートが必要だったり、大変でしたが、ありがたいことに企業の方に評価していただけたようでした。最終選考が終わった後に、採用担当者からインターンシップの話が出たときは、しっかり見られているなと感じましたね」(佐賀大学・地場有名食品会社内定女子)

このように、インターンシップは、もはや「お試し就労」の場ではなく、実質上の選考の場と変容しているようです。その流れは、もはや固定されつつあるといってもよいでしょう。

ただ、そのようなインターンシップが、残念ながら採用に直結していないケースもあるようなのです。例えば、ビジネスプランコンテストや社員との立食パーティーなど面白いコンテンツにしたけれども、結局採用に結びつかなかったというケースです。これは、学生への呼び水として、客寄せパンダとしては、よいかもしれませんが、それは本質ではないような気がするのです。

では、インターンシップの本質とは何なのでしょうか。それは次回のコラムで見ていくことにいたします。

今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。