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2019.09.09 COLUMN

今こそインターンシップの本質を考えてみる【後編】

今回のコラムは、前回の続きです。インターンシップの本質とは何なのかを、皆さまといっしょに考えていきたいと思います。

前回は、ビジネスプランコンテストや立食パーティーなどをインターンシップの内容にしている企業があるということをお伝えいたしました。それは、果たしてインターンシップの本質なのでしょうか?それは、学生の声を聞いてみることで見えてきます。

多くの学生は職場見学、同行体験に期待

株式会社マイナビが、2019年7月23日に発表した「2021年卒 マイナビ大学生インターンシップ前の意識調査」によれば、参加したいインターンシップの形式について、学生が期待していることの割合は、「職場見学(61.9%)」、「同行体験型(66.4%)」の値が高かったようです。そこからいえることは、より実務に即した内容であることが大切になってくるということではないでしょうか。

実際に、ある銀行のインターンシップに参加したという、弊社「就勝ゼミナール」の学生の声を紹介いたしましょう。

「この銀行のインターンシップは、実際に同行営業のインターンシップがありました。実際の営業担当の行員さんと営業の現場に同行するわけですから、それはもう、緊張の連続でしたね。でも、今の自分に何ができて、何が足りないのかがよくわかったので、参加してよかったと思っています」(山口大学・地銀内定男子)

「私は、女性行員の皆さんに職場見学と座談会の機会をいただきました。女子って、男子とちがって結婚や出産があって、キャリアが途切れがちになるので、そのあたりを皆さんがどう乗り切って、今のキャリアを築いているのかについてしっかりお話を伺うことができてよかったです」(福岡大学・地銀内定女子)

このように、実務に即したインターンシップだと、学生の満足度は高いようです。ちなみに、先にご紹介した2名の学生は、インターンシップに行った地銀から内定をいただき、そこで就職しているようです。

また、元リクルートの人事マネージャーで、組織人事コンサルタントの曽和利光氏は、以下のように述べています。

学生は面白コンテンツを味わいに来ているのではなく、その会社にいる人や集まってくる学生の雰囲気やレベルを吟味しに来ているのです。つまり、そこで出会う人とのコミュニケーションが、本当のメインコンテンツなのです。(2019年8月8日付キャリコネニュースより)

そうすると、いかにして学生と蜜にコミュニケーションを取っていくかが、鍵を握りそうです。当然、ガチガチの面接スタイルだと、学生は心を閉ざしてしまうので、どうすれば学生に心を開いてもらうかがポイントになります。

そこで是非力を入れるとよいのが、懇親会です。

懇親会こそ戦略的に

懇親会で大事なのは、心理的安全性を確保するということではないでしょうか。「選考は関係ない」と言われていても、多くの学生は「こんなこと聞いたら心象を悪くする、まずいのではないか」という不安を抱いているようです。したがって、「安心して聞ける雰囲気を作る」というのが大切になってきます。

例えば、学生の特性や相性に合わせて、隣に座ってもらう社員を戦略的に決めるといったことが挙げられます。割とガッツにあふれる学生なら、隣にバリバリやっている社員に座ってもらうとか、逆におとなしい感じの学生なら、優しめの社員に隣に座ってもらうといった感じでしょうか。

いずれにせよ大切なのは、学生とコミュニケーションを蜜に取り、情報収集することが目的なのですから、心理的安全性を確保して採用につなげていきたいものです。おいしいご飯をご馳走して、結局のところそこで終わってしまったとしたら、それはそれでもったいないことだと思うのです。懇親会の設計については、また折に触れてこちらのコラムでご紹介することにいたしましょう。

今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。