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2020.08.06 COLUMN

組織開発の進め方とは?

Q:誰がどのように組織開発を行うべきなのか?

A:人事部門が個人の人材開発を、現場は技術的働きかけを、経営は組織全体の戦略的働きかけと組織構造を担う

組織開発の手法

組織開発の手法を見ていきましょう。
以下はアメリカの大学院でよく教科書として使われている『Organization Development & Change』(Cummings & Worley, 2009)による分類です。

1. ヒューマンプロセス(人と人の間)への働きかけ:コミュニケーション、人間関係、風土の問題を様々な手法で解決する。プロセス・コンサルテーション、チーム・ビルディングなど。
2. 人材マネジメントによる働きかけ:狭義での人材マネジメント(Human Resource Management)。目標設定、評価などを通じて組織開発を行う。
3. 技術・構造的働きかけ:仕事のやり方、組織のデザインに対して働きかける。
4. 戦略的働きかけ:戦略的な変革、合併、提携など、ビジョンと戦略を明確にして働きかける。

組織開発を担当する部門

それぞれの手法は誰が担当するのでしょうか。部門の役割を考えていきます。

個人の領域「人材マネジメントへの働きかけ」は人事部門が担当します。次に、部門/ チームの制度・構造「技術的働きかけ」については現場の品質管理・業務改善・TQM推進部門などが担当します。そして、組織全体の「戦略的働きかけ」、そして右下の「構造的働きかけ」は役員会議・経営企画・経営戦略部門などの機能が担当します。

どこも担当していない「隙間」が存在する

会社全体の戦略の下、自部署は何をするか「戦略にチームの意思を込める」ことを支援する機能も日本企業にはありません。経営企画部門が戦略の落とし込みまではやっていますが、具体的な進め方は部署に一任されています。この先、これらの「機能の隙間」を人事部門が担っていくことが期待されています。人事にできることがまだまだありそうです。

次回は企業の目指すミッション・ビジョン・バリューについて考えます。