選考フローは学生への採用メッセージだ
日中、今まで以上に街でリクルートスーツ姿の学生をよく見かけるようになりました。(面接)選考が本格化している証でしょうか、2020年卒の新卒採用が、第3コーナーを曲がったところに差し掛かっているのかもしれません。
さて、多くの学生は、いわゆる採用の選考フロー(流れ)を気にしているようです。
「筆記試験は、どんな種類(SPI、GABなど)なのか」
「面接は何回あるのか」
弊社の就勝ゼミナールに通う学生たちからも、こうした声がよく聞かれます。おそらく学生全体を覆う不安感からくるものなのでしょう。
一般的な選考フローは、以下のようなかたちで行われます。
①書類選考(エントリーシート、履歴書)
②筆記・適正試験(SPI、GAB、クレペリン、時事・一般常識、論作文など)
③複数回の面接(グループディスカッション、集団面接、個別面接)
④内定
それぞれの選考階層には、明確な意図がありますが、これをどれだけの企業が学生に対して説明できているでしょうか。
選考の意図を説明して、応募学生に安心感を
もちろん、いちいち理由を説明する必要はないという向きもあるでしょう。
ただ、最近の学生や新入社員は「なぜ、それをする必要があるのか?」といった目的を気にする傾向が高いようです。『納得しないと動かない症候群』という本が出版されているくらいですから…。昔のように「四の五の言わずに、いいからやれ」というノリでは、反発を食らって通用しなくなってきているのです。
私も企業研修に入ることがありますが、「そういう感じがイマドキの子には通用しなくて困っている」と漏らす中間管理職の方が増えているように感じます。
したがって、言える範囲内で構いませんが、その選考にはどのような意図があるのかを説明しておくと、学生に安心感を与えられるのではないでしょうか。
採用要件を明確にしておく
逆に言うと、どんな学生を採用するかという採用要件が明確になっていれば、自ずとどのような選考をしていくかも明確になり、学生に説明ができるともいえるでしょう。
例えば、
・基礎学力を重視するならSPIやGABなどの適性検査
・「書く力」を求めるなら、論文・作文試験
・協調性を求めるなら、グループディスカッションやグループワーク
といった具合です。
そうすると、結果的に、自社に来てほしい学生を事前にふるい分けすることもでき、より精度の高い採用活動が行えるのではないでしょうか。
極端な話、10人の学生を採用するのに、何万人、何千人もの学生に応募してもらう必要はないのです。自社の採用要件に合っていて、より成果貢献してくれそうな学生10名が来てくれれば、それで十分だと思うのです。
そうした意味でも、選考フロー(の意図)について説明できるようになっておくというのは、かなり重要なのではないでしょうか。
今週もお読みいただきましてありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。
※今回のコラムは、2019年3月28日付「東洋経済オンライン」の記事を参考にしました。