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2019.04.08 COLUMN

私服面接+ランチ面接で応募学生の”素”を見抜く

採用のトップシーズンです。既に、応募学生に内定を出しているという企業もあるのではないかと思います。その一方で、これから面接選考を本格的に迎えるという企業も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は、私服面接とランチ面接で応募学生の”素”を見抜いてみてはいかがでしょう?という内容です。

学生の”自分らしさ”を見るのにもってこいの私服面接

あの大手化粧品会社・資生堂の人事部ビジネスパートナー採用室の佐藤麻子氏は、こう述べています。

私服面接をする理由は、自分らしさを最大限に発揮してほしいからです。かつてはリクルートスーツを指定していましたが、そうするとみんな同じ見た目になってしまって、印象に残りにくい。それってもったいない、という思いが背景にありました。(2019年2月5日付NIKKEI STYLEより)

個性派の学生にとっては、福音の私服面接?

その”自分らしさ”って何?―今まで”正解”のある世界に生きてきた学生たちは、戸惑いを覚えることでしょう。

ただ、見方を変えると、学生に”自分らしさ”を発揮してもらい、ある意味応募時における満足度を上げていくという部分において、型にあてはめられることを嫌う個性派の学生にとっては、福音となるかもしれません。

いずれにせよ、私服面接は、学生の個性や”らしさ”を見るのに、もってこいといえるのではないでしょうか。

応募学生の”常識力”までもがわかる

ひとりひとり異なり、正解のない個性をもたらす服装には、その人なりの理由やねらいがあると思います。そこで、私服面接のときに「きょうの服装は、何をイメージしているのですか?」といった質問をしてみるのもよいでしょう。

そこで、たとえば「御社のビジネススタイルがB to Cで、かつ20代後半の女性を主なターゲット層にしていると聞きました。そうした方々と接する機会が多い以上、やはり彼女たちに受け入れてもらえるような”見た目”である必要があると考え、こういう格好にしてみました」といったような回答があれば、かなりTPOをわきまえた行動を取れる、すなわち、”常識力”の高い学生であるといえるでしょう。

逆に、まるでTPOをわきまえた様子もなく、理由もなく「これがオレの個性っす!」という感じの学生だと、少々”常識力”に疑問が残り、お客様に嫌われる可能性を垣間見ることができるかもしれません。

もちろん、服装だけで不合格にするといったことはないでしょうが、ビジネスシーンでは、お客様に好かれる必要がありますので、「客前に出しても恥ずかしくないかどうか」を見極めるために、こうした意図を持って私服面接を導入してみるのも面白いと思います。

食事は素が出やすい

私の学生時代の友人で、名前を出せば誰もが知る大手電機メーカーに勤務する女性がいます。彼女は、人事の仕事を約4年間担当しており(今は他部署へ移動しているそうです)、かつお嬢様育ちなので、人を見る目はかなり厳しいでしょう。そんな彼女が、数年前の同窓会のときにこう述べていました。

「この間、取引先の人と食事に行く機会があったんだけど、後輩の食事のマナーが悪いったらもう…。ちょっと恥ずかしかった。だって食事って、普段からやっていることだから、育ちとか素とかがもろにわかるじゃない?…」

こんな感じでしばらく、愚痴をこぼしてくれたのです。私を含めた同窓会のメンバー一同、納得でした。

以前のコラムでも、ランチ面接について少し触れていましたが、ESの文章や服装は着飾ることができても、食べるという行為の所作については、それは難しいのかもしれません。そういう意味では、応募学生の素を見抜くには、コストこそかかりますが、ランチ面接も取り入れてみるのもよい取り組みだと考えます。

今週もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。