コラム / ブログ
COLUMN & BLOG

2019.04.15 COLUMN

超売り手市場!IT人材確保の鍵は「情報共有」にあり

各社の報道によれば、4月1日時点での2020年卒の内定率が22.2%(リクルートキャリア調べ)だったそうです。相変わらず学生優位の「売り手市場」で、ことしは天皇陛下退位に伴う10連休で、採用スケジュールが前倒しになっているのかもしれません。

さて、どこの業界も人手不足が叫ばれて久しいですが、とりわけIT系人材の充足率が低いと聞きます。経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によれば、2030年時点でのIT人材不足規模は、約59万人だそうです。企業の規模の大小にかかわらず、どのようにして人材を確保していくかは、喫緊の課題といえましょう。そのヒントとなるひとつが、「情報共有」です。

何をやっているかがわからないという不安感

弊社「就勝ゼミナール」の中でもIT系の職種や企業を目指す学生は、文理問わず多いです。そこで一様に聞かれるのが、不安感でした。

以下、学生の声を紹介いたします。

「かたちのない商品なので、(他社との)ちがいがわかりにくくて応募をためらってしまいます」(西南学院大学・SE職内定女子)

「チームで動いていると聞きますが、どんな感じで動いているのかが、説明会やインターンシップの時点でわかると、働くイメージが湧いて応募しやすくなります」(佐賀大学・SE職内定男子)

特に、SE職は、意外とチーム単位で仕事をするケースが多いことから、どんな仕事をするのかが学生にもわかれば、お互いのマッチングがしやすくなるのではないでしょうか。

プロジェクトの情報共有が人材獲得のカギ

「餅は餅屋」ということわざがあるように、SEのことをわかっているのは、他ならぬSEでしょう。その現場の第一線でバリバリやっているチームメンバーが、採用に関わることで、よりよい人材とのマッチングに結びつくのではないでしょうか。そこでカギになるのが、プロジェクトの情報共有であると考えます。

もちろん、守秘義務の関係で、社外の人である応募学生に言える部分、言えない部分はあるでしょう。

ただ、人材の獲得が困難な原因を、企業側の情報提供不足に求めるなら、実際にプロジェクトに関わっているメンバーが、ネット上でプロジェクトの情報を開示するという取り組みがあってもよいのではないでしょうか。

さらに、メンバーと就職活動中のメンバーが、チャットなど直接やり取りできる仕組みがあれば、なおのことよいでしょう。実際に、そういうサービスを提供しているITサービスもあるようです。

弱さ”もさらす

商品のカタログに「この商品の弱点はこんなところです」と書かないのと同じように、ややもすれば、企業説明会や就職ナビサイトでは、自社の強みや長所の開示に偏りがちです。それはそれで、致し方ないことだと思います。

しかしながら、学生にとっては、学校を卒業して40年以上の大半を過ごす空間が会社です。家族や友人、恋人といる時間よりも長いのです。どうせ同じプロジェクトのメンバーとして働くならば、ときには自社の課題や弱みも見せた方が、かえって応募学生の信頼を得られるのではないでしょうか。今回のコラムがよい人材の獲得につながれば幸いです。

今週もお読みいただき、ありがとうございました。来週もお目にかかりましょう。