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2019.04.01 COLUMN

「時事問題」についての考えを聞くと、学生の「思考力」が丸裸になります

きょうから新年度、2019年度のスタートです。このコラムがアップされるのと前後して、新元号が発表されていることでしょう。気持ち新たに、今年度も引き続きよろしくお願いいたします。

さて、2020年卒の新卒採用がピークを迎えています。今、採用面接でこのような質問をする企業が増えているそうです。

「東京オリンピック・パラリンピックで社会・経済にどのような影響や課題があるか、あなたの考えを述べてください」

「ニートや引きこもり問題に対する国の対応のあるべき姿について、意見を述べてください」

これは、時事問題や背景知識がなければ、我々社会人でもなかなか太刀打ちできない設問でしょう。

多くの学生が苦手にしている時事問題

ご多分に漏れず、実はこの手の質問をする企業は多々あります。例えば「最近興味関心を持っているニュースは何ですか?」といった質問です。

弊社の「就勝ゼミナール」で、面接の練習をするときに、この手の質問をすると、ほぼ8割の学生が答えに窮してしまいます。それもそのはず、そもそも新聞を読んだり、ニュースを見て考えるという習慣が希薄だからです。

また、今まで、受験という正解のある枠組みの中で生きてきた彼らにとって、先のような設問をされると、途端に困惑してしまうというのも手伝っているのかもしれません。私が見てきたところですと、偏差値の高い大学に通っている学生ほど、正解を求める傾向が強いような気がします。

ただ、そんな普通の学生たちも、世の中の出来事について考え、グループディスカッションなどを通じて他の学生と議論を戦わせる習慣を持つことで、驚くほど成長していきます。実際にこのような習慣が身についたおかげで、第一志望の金融機関から内定を獲得した、「就勝ゼミナール」の学生がいます。

「実は集団面接で『最近、興味関心を持っている時事問題について、あなたなりの考えを述べなさい』という質問がありました。私は普段から『就勝ゼミナール』に来たときには、新聞を読んだり、グループディスカッションに参加したりして、自分の考えをまとめたり、表明する習慣を身につけていたので、慌てることなく対処できました。実は集団面接は、私を含めて5名いたのですが、私以外の4名は、全員黙り込んでしまいました。普段から世の中の動きについて考える習慣をつけておいてよかったです」(九州産業大学・地場大手地銀内定女子)

普段から世の中の出来事について考えている人は、難なく対応できるということになり、思考力の高い学生であるということになりますでしょうか。

求む、正解のない課題について考える力

年功序列や終身雇用など、今まで良しとされていたものが、音を立てて崩れ去っている昨今。これまでの知識や経験が通用しなくなってきており、そうした正解のない世界にどう立ち向かっていけるかが、問われているようになってきています。

そのような時代を乗り越えて行く力を備えているかどうかを確認するひとつの材料として、先のような設問を課す企業が増えてきているのではないでしょうか。

2019年2月28日放送「NHKニュースおはよう日本」の特集の中で、モザイクワークのコンサルタント・杉浦次郎さんがこのように述べていました。

「(ビジネスも時事問題も)一問一答型の正解探しではない。今ある課題とか、今ある世の中のことをもう少し整理をし、組み合わせていきながら、新しいビジネスや新しいサービスにつなげていくという考え方が必要になると、“今どれだけ考えられているか”が重視されていく」

まさにおっしゃるとおりだと思うのです。

是非、面接の設問の中に、先のような思考力を問うものを入れてみるのもよいのではないでしょうか。

今週もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。