応募学生の「表現力」を見るにはコレ!動画ESのススメ
採用のカタチは、年々変化し続けています。古今東西、成果を出してくれる人材を採用するという本質的な部分は変わりないでしょうが、そういう人材を採用する手法は、ひところに比べると変わりつつあるように感じます。その象徴的なもののひとつが、動画ES(エントリーシート)です。
スマホの普及が動画を撮ることへのハードルを下げた
日本に本格的にスマートフォンが普及したのは、2006年にアップルコンピュータが発売したiPhoneがきっかけと言われています。ソフトバンクが最初に導入し、その後2011年にKDDI(au)、NTTドコモが続きました。スマホ1台で、あらゆることができてしまうため、「便利な道具が出てきたものだ」と驚いたものです。
今では当たり前のようにスマホを使っていますが、10年前に比べると、スマホ片手に動画を撮影し、動画をSNSに投稿する人は格段に増えているでしょう。動画の画質も、十分見るに耐えうるものです。ネットで検索しても、動画が上位にくるほどですから、いかに動画が普及しているかがわかります。
動画は文字通り、動いている画です。文字や写真に比べれば、声だけではない細かなニュアンス、いわば実像が伝わってきます。ここである程度の「人となり」というのも垣間見えるものです。そんな動画をESに使う動きが、ここ数年広まりつつあります。
2017年卒採用から増えてきた動画ES
2017年卒採用からでしょうか、大手・有名企業を中心に、応募の初期段階から動画を取り入れる企業は増えているようです。私が学生時代のころは、就職試験での動画といえば、テレビ局のアナウンサー採用試験で課されるカメラテストくらいだったと思います(実は私も受けたことがあります)。それが今や一般企業の応募の初期段階からあるのです。アルバイト向けの応募書類も、動画で求める企業すら出てきました。
動画は表現力を要求される
この動画面接、ある意味ごまかしが利きません。それは、文面だけではわからない、声、表情などを含めた雰囲気、たたずまいなどが丸裸になって見ている側に伝わってしまうからです。
自分が話している様子を動画に撮ったことのある方なら、おわかりになるかもしれませんが、動画を見返してみると、こんな衝撃を受けるはずです。
・声が小さい
・表情が平板
・抑揚がなく一本調子でしゃべっているので、言いたいことが伝わらない
などといった感じでしょうか。なぜそうなのかについては、専門的な話になりますので割愛いたしますが、いずれにせよ動画は、実像が伝わってしまうので、それなりの表現力を求められるのです。
逆に言うと、応募学生「表現力」や実像を見るには、動画ESを取り入れるとよいということになります。
若い採用担当者にも親和性が高い動画ES
2019年3月12日付の日本経済新聞夕刊の記事によれば、ある企業の人事採用担当者曰く「文書を読むよりも動画を見る方が労力がかからなくて手軽です」とのこと。しなみに、この人事採用担当者、30代の若手だそうです。
採用担当者が代替わりしているということなのでしょうか、この世代は、日ごろからYouTubeなどの動画を見る機会が多く、動画との親和性が高いということになるでしょう(見方を変えると、文章を読む読解力が低下しているといえるのかもしれません)。そういう意味では、動画ESを導入するのは、時代の流れでもあるということなのでしょうか。
いずれにせよ、動画ESは、応募学生の表現力を見るという点と若手の採用担当者が対応しやすいという点で、導入を試みるのもよい取り組みでしょうね。
今週もお読みいただき、ありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。