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2018.12.03 COLUMN

学生に貴社のことを”好き”になってもらうコツ

そろそろ冬将軍到来でしょうか、急に寒くなり、鍋物が恋しい季節になってきました。採用担当者のお気に入りの鍋は何でしょうか。私は、しゃぶしゃぶでございます。シメのうどんor雑炊がいいですよね。

さて、2020年卒採用が少しずつ動き出してきています。採用担当者の皆さまにとっては、いかにして自社を応募してくれる母集団を形成していくかが、ひとつの課題になっているのではないかと思います。

そこで、今回のコラムは、いかにして学生に貴社のことを”好き”になってもらい、母集団を増やしていくかについて見ていきたいと思います。

「売り手市場」で大手志向の学生たち

ご承知の通り、昨今の採用市場は、学生優位の「売り手市場」です。いわゆる「団塊の世代」が一斉に退職し、労働力人口が足りなくなってきています。そこで、外国人労働者を受け入れて、なんとか経済の成長を果たそうとする動きは、報道のとおりです。

採用担当者の皆さまにとって、”頭数”を揃えることは喫緊の課題ではないかと思います。

株式会社マイナビの調査によると、2019年卒の新卒内定状況について、「採用充足率」(=企業が確保している内定者数を募集人数で割った割合)は84.4%となったそうです。特に、ソフトウエア・通信系企業では77.3%、非上場企業では76.5%にとどまりました。ちなみに、上場企業だと95.9%に上ります。

このことから、大手企業ほど採用にそこまで”苦労”していないことがわかります。これは、今にはじまった話ではないでしょうが、ここ数年の「売り手市場」下にある就活生を見ていると、大手志向が強いように感じられます。

弊社が運営する「就勝ゼミナール」の学生の声を紹介いたしましょう。

「私は地元の福岡で働きたかったのですが、採用試験を受けた上場企業から内定をもらったので、そこに行くことにしました。何だかんだ言って大手ですからね」(九州工業大学大学院・大手電子機器メーカー研究職内定男子)

「私はもともと東京本社の大手企業で働こうと思っていました。やはり大手だとできることがちがいますからね」(九州大学・大手IT系企業内定女子)

「やっぱり行けるものなら大手に行ってみたい。ダメもとで受けてみたら、運よく採用されました。大手だったら、親にも納得してもらいやすいですし、何より安心してもらえます」(九州産業大学・地場有名銀行内定男子)

思わず納得…、これはぐうの音も出ない…と感じられた採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、そんな大手志向の学生たちにも貴社のことを”好き”になってもらい、母集団のひとりになってもらって採用に結び付けるにはどうすればよいのでしょうか。それは、ランチに誘うこと、しかも学生にとって負担にならない学食を利用することだと考えます。

心理学の「ランチョン・テクニック」を活用する

「ランチョン・テクニック」という言葉をご存知でしょうか。これは、心理学者のグレゴリー・ラズランが研究したものです。「ランチョン・テクニック」とは、簡単に申し上げますと、人は食事をしながら関わった人や物を好きになるというものです。おいしいものを食べると、何だか幸せな気分になりますよね。それは、脳が快楽を覚えて、食事中に聞いた話やそこにいた人たちに対し、好意を抱く、ということになるのだそうです。

▲写真はイメージです

首脳同士が昼食を共にしながら会談している様子を、しばしばテレビのニュースで見かけることがあると思います。これは、おいしいランチを食べながらの交渉だと、対立が和らぎ、交渉事がまとまりやすくなる、という心理を活用したものだといえるのではないでしょうか。

そう、これを採用の場面で使わない手はないと思います。

ただし、あまりに高い料理を出すところに学生を招くと、かえって学生に気まずい思いをさせてしまって「こんなにごちそうになっておきながら、もし説明会や選考を辞退したら、何を言われるかわからない」と思われるかもしれません。実際、こういう不安を口にしていた弊社の「就勝ゼミナール」の学生もいました。

そこで、ひとつおすすめしたいのが、学食の活用です。

学食なら、学生も企業も負担になりにくい

近年の学食の充実ぶりには、目を見張るものがありますが、だいたい定食でも500円前後のものが多いのではないかと思います。一人500円程度なら、貴社にとってもそこまで負担に感じる金額ではないかもしれません。

一人500円×10人だとしても、貴社の負担は5,000円。例えば、半額を「お茶代」として学生に負担してもらってもよいのではないかと思います(かえってその方が、お金を払ってでも来る”質の高い”学生が来るかもしれません)。下手に高いレストランに学生を招くより、お互いにとっての経費的・心理的な負担感を減らせるのではないでしょうか。

学食なら、学生がわざわざ貴社に出向くという心理的なハードルが下がりますし、授業の合間に参加しやすいというメリットもあるのではないかと思います。学食を貴社と学生との出会いの場として活用してみるのも、おもしろい取り組みかもしれませんね(実際、こういう取り組みをはじめている企業もあるようです)。

今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。