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2020.09.18 COLUMN

フィードバックの技術の基本とは

フィードバック前に準備すべきこと

効果的なフィードバックをするためには、できるだけ具体的に相手の問題行動を指摘することが求められる。その際、重要なのは「SBI情報」を準備することです。

SBIとは、シチュエーション、ビヘイビア、インパクトの頭文字をとったものだ。どのような状況で(シチュエーション)、どんな振る舞い(ビヘイビア)が、周囲やその仕事に対して、どんな影響をもたらしたのか(インパクト)、この3点を具体的に伝えることで、はじめて部下は上司の言いたいことを理解してくれます。

SBI情報を収集するうえでは朝の声かけなど、職場の回遊が効果的です。1回1回の時間は短くてもかまわないです。むしろ頻繁におこなうことのほうが大切です。

信頼感を確保して客観的に伝える

ここからは実際のフィードバックに焦点を当てます。 フィードバック面談のオープニングでは、まず部下の「心理的安全」や「信頼感」を確保することが求められます。情報が漏れず、他の社員の目に触れない場所を選びましょう。

また、セッションの「目的」を最初に伝えること、「一緒に改善策を考えよう」という姿勢を見せることも重要です。相手に対してリスペクトをもって接し、信頼感の確保に努めます。

フィードバックが始まったら、収集した相手のSBI情報を提示していきます。ここで最も重要なのは、収集した相手の問題行動を、いわば「鏡」のように相手の目の前に映しだし、客観的かつ正確に通知していくことです。できるだけ主観や感情を排除し、起きている事実をその通りに伝えましょう。

理解を一致させ目標を設定する

どんな場合にも、相手には相手なりの言い訳や理由があります。相手と向き合いながら対話をすることによって、相手の理解(腹落ち)を得ることが大切です。上司と部下の考えていることが違うのは当然のことです。だからこそ、相互の理解が一致するまで、時間をかけて対話する必要があります。

対話を終えたら、過去と現在をもう一度しっかりと振り返り、未来に向けて新たな行動計画や目標をつくりだしていきましょう。その際、部下が自らの姿を客観的に認識できるようにするためには、過去・現在の状況を「言葉にさせること」がポイントです。

フィードバックの最後は、かならず期待を伝えることで締めくくりましょう。その際、「再発予防」をすることも欠かせません。その部下がなにか問題を起こしたとしたら、それは再発すると覚悟すべきです。問題が再発することを前提にしたうえで、その予防策を事前にたてさせてください。

次回は「実践編」としてお伝えしていきます。