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2020.06.11 COLUMN

今後人事担当者に高度な役割が必要な理由とは?

人事は経営資源のうちの「ヒト」の活用を担います。採用活動を行い、人員の補充や、各種労務関連手続きだけでなく、社員それぞれの特性やキャリア志向を把握し、教育・研修の実施、最適な人員配置を行うことも人事部門の役割です。また、評価制度の策定や社員が働きやすい職場環境の構築など、会社や従業員を支える重要な業務を担います。

今後は戦略人事や人材マネジメントの重要性が高まり、人事担当には高度な役割が求められます。ここでは人事担当に高度な役割が必要な理由をご紹介します。

CHROの需要増加

CHROは、Chief Human Resource Officer(最高人事責任者)の略で、人事部門の統括責任者を指します。人事部門を統括するという点では、人事部長の役割と同様ですが、経営戦略にも関わっていくという点では、人事部長との役割とは大きく異なります。

CHROは取締役会の一員であり、株主にも責任を負います。 CHROは海外では認知度のある役職ですが、日本ではまだ浸透しきれていません。しかし、今後は最も重要な経営資源である「ヒト」を戦略的に扱うCHROの需要が高まることは間違いありません。技術の高度化によって、人材に求める技術レベルも高くなり、転職市場の流動化や人手不足も相まって、優秀な人材の確保が難しくなっています。

また、働き方改革やコンプライアンス遵守の意識の高まりによって、過労防止などの法令遵守の徹底、多様な価値観を認める人材登用、生産性の向上など、人事の仕事が会社や事業の成否を大きく影響する機会が増えています。

人材市場の変化

多様な価値観が尊重されるようになったことや、氷河期世代の働き方が議論されるにつれ、新卒一括採用のあり方についてもさまざまな指摘があがるようになり、人材市場は大きく変化しつつあります。

また、IT技術の発展により、どの分野でも市場の変化が早くなりつつあります。市場変化に対応するために、潜在的能力を重視し、長期間の人材育成を行う新卒一括採用より、すでに豊富な経験と高度なスキルを備えた優秀な人材を外部から獲得する中途採用を重視する企業が増えています。

近年ではリファラル採用やアルムナイ制度(出戻りの再雇用)、メディアやSNSを活用したダイレクトリクルーティングなど新たな採用方法も登場しています。リファラル採用の最大のメリットは、信頼できる人物の応募が見込めること、ミスマッチによる早期離職を防止できることがあげられます。

アルムナイ制度では、すでに社内の業務に精通しており、新たな育成の必要がなく、別会社での経験を得た社員が自社にない発想や気付きで、刺激を与えてくれるという点が大きなメリットといえます。

人事業務の高度化

優秀な人材の離職を防ぐためにも、社員が自分の頑張りを公平公正に評価してもらっていると実感できる人事評価制度の構築は重要です。また、上昇志向の強い人に対して、社内できちんと成長できる育成・研修制度を整えなければなりません。

人事は社員が万全の状態で働けるような職場環境の構築や人材育成、仕事の成果を評価や給与、処遇に反映する人事評価制度の立案など担い、経営層とコミュニケーションを取りながら改革していく必要があります。今後、優秀な人材を獲得し、離職を防止するためにも、人事業務はさらに高度化していくことが予想されています。

明日は「人事が注力すべき役割とは」というテーマで書かせていただきます。