これからの時代は「目標と信頼」がセットで大事になる
働き方がリモートワークなど、オンライン中心の人が増えています。オンラインの活用は今後も増えていくと思いますが、働き方や組織においてどのような点が重要になるのか整理してみました。
これからの時代に大事なことは、「目標と信頼がセット」であるということ。どちらもこれまでも重要ですが、この2つがセットとなる形で重要度が上がっています。
共通言語の役割を果たす「目標」とは
一緒のオフィスにいるとか、近くに座っているということに慣れていた人からすれば、これまでの仕事が見えにくくなったと感じる人もいると思います。見えにくくなってしまったからと言って管理しようとすると、マイクロマネジメントの罠にはまりがちで、やられる側からするとやりにくさやストレスが増していくので注意が必要です。とはいえ、成果は出したい。これについては上司もメンバーも利害が一致しています。マイクロマネジメントを避けつつ、成果をきちんと出すために必要な共通言語が必要ですが、それを支えるのが「目標」です。
大事なことは、組織の目標と個人の目標が繋がっているということです。
まずは組織目標が大事です。組織の目標を理解しないまま個人が勝手に目標を持つと、当然ですがやることはバラバラになります。その本人が、頑張れば頑張るほど、自分に対する評価は高くなります。一方で組織と自分の目標が擦り合っていない場合、振り返りや評価の時にズレが起きてしまいます。「やって欲しかったのはそれではなかった」というフィードバックは、上司もメンバーもびっくりになるので避けないといけません。
組織目標が不明確だと、そもそも個人目標を持てない人も多くなります。自分がどこを目指すべきなのか指針がわからないからです。だからこそ、組織目標を理解した上で、自分自身の目標が組織目標にどうつながるのかをイメージできるようにすることが必要です。チームで目指すものを決め、その上で個人が目指すものを決める。仮にオンラインで日常の動きが見えなくても、同じ方向や目標に向かっていって成果を出せれば、組織としても成長していきます。
作り続ける必要があるのが信頼
信頼というのは、人と人とが論理的にも感情的にも安心した関係性がある状態です。「この人なら任せておける」「一緒にやれることで自分も頑張れる」など、相手と自分の間に安心感があることで、物事がスムーズに進みます。リモートなどオンライン中心の業務に変わったとしても意外に大丈夫だなと感じている部分もあると思いますが、社歴が浅い人や異動したばかりの人とは強い関係性を築けているわけではありません。
大事なことは、信頼関係というのは創り続ける必要があるということです。リアルであろうとオンラインであろうと、良い関係性は放置すると劣化します。新しい仕事を共に成し遂げたとか、自分の成長につながるフィードバックをもらえたなど、意図して狙っているかどうかは別として関係性は仕事や対話を通じて創られていくものです。
みなさんは「信頼残高」という言葉をご存じでしょうか。まずは小さなことでもいいから、約束を守ったり、期待をわずかでも超える成果物を出して信頼を積み重ねる。これが増えてくると信頼残高が高まっていきます。一方、期待を外すようなアクションは信頼残高を減らす行動になります。ちなみに入社直後や、異動直後にはまだほとんど信頼残高がないことがふつうで、あるものは「期待値」です。その期待を上回れば残高が貯まり、期待を下回ると残高が減ります。
信頼関係がある組織は、業績拡大に向けて何が良いのか。それはスピードが圧倒的に早いということです。お互いの関係に不安がないので、その分確認が減ります。確認が少ないということは、その分進むことが早くなるということ。結果的に信頼関係があると挑戦の総量が増えて、成果につながります。
これまで目標と信頼というのをセットで語られることはほとんどありませんでした。成果につながる目標と、人と人との関係性を示す信頼ということで観点が違ったからかもしれません。しかし、オンライン中心の業務が一気に増えて、成果を永続的に出すためにもやり方に工夫が必要になりました。役割を渡すだけで良かった組織もあるかもしれませんが、目標を明確にしないと方向がずれてしまいます。一方、目標それ自体はとても大事ですが、成果に向けたものだけにドライなものになりがちです。だからこそ、信頼という関係性を重視した部分を大切にして、個々人が自分らしく成果を出せるように支援することが大切になります。
弊社もたくさんの組織やチームと関わっていますが、目標が明確かつ信頼しあっている組織というのは見ていても気持ちが良いものです。それぞれが成果に向き合いながら、笑顔で仲間と仕事に向き合っているイメージです。
チームビルディングでは、目標と信頼はセットで考える。
この考えを中心に、この国難を乗り越えていきましょう!