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2020.11.02 COLUMN

フレックスタイムのメリットとは? 

フレックスタイム一度は、聞いたことがあるかと思います。

フレックスタイムは、大手企業を中心に導入されていますが、中小企業の経営者の方からも、「フレックスタイムはどうですか?」と聞かれることがあります。

本ブログでは、フレックスタイムのメリットとデメリットについてわかりやすく解説していきたいと思います。

フレックスタイムは、残業時間削減に効果的な面があります

フレックスタイムは、1か月間の総労働時間を予め決めておき、従業員は、その範囲の中で出社時間と退社時間を自由に決めることで、効率的に働き、労働時間を短縮しようとするものです。

通常の場合には、1日の所定労働時間が決められているので、その時間内は、従業員は、事業主の支配下にいなければなりません。(逆に事業主は、所定労働時間分の給料を支払う必要があります。)

ところで、日によっては、必ずしも所定労働時間の全てを働かなくても、その日に関しては、特別支障が出ない場合もあります。

例えば、ある仕事について、取引先に依頼した業務が完成しなければ、次の業務に進めない、ような場合もあります。

仮に、終業時刻を午後6時の場合で、取引先が、その仕事を完成し、納品することが、その日には不可能で明日の午前9時になる、ということが、その日の午後1時にわかったとします。

その仕事以外にも特段急を要する仕事がなければ、その日の午後1時に退社しても、業務に特別支障をきたすことはないと言えます。

しかし、所定労働時間が、予め決められている場合には、業務の状況にかかわらず、終業時刻まで、事業主の支配下にいなければなりません。

 

そして、次の日に、その仕事が納品され、時間外労働を5時間強いられたとします。

1日の所定労働時間を8時間とした場合、2日でトータル、21時間(8時間+13時間)労働したこととなります。

事業主サイドから見れば、当然に5時間分の時間外割増賃金を支払う必要があります。

しかし、フレックスタイムであれば、従業員が、出社及び退社の時間を自由に決めることができるので、前日は、午後1時に退社することもできるわけです。

もし、午後1時に退社していれば、その日の労働時間は、3時間(8時間-5時間)となります。

となれば、次の日に5時間時間外労働をして、13時間働いても、2日間のトータルでは、18時間となります。

結果的に5時間労働時間が短縮され、事業主も5時間分の時間外割増賃金の支払いを要しなくなります。

このようにフレックスタイムのメリットとして、制度を導入することにより、労働時間の短縮が可能になり、その結果、人件費削減の効果が期待できます。

フレックスタイムは、残業時間削減以外にもメリットがあります

また、フレックスタイムのメリットとして考えられるのは、従業員が、出社、退社の時間を自由に決めることができるため、通勤時間をずらすことにより、満員電車での通勤や渋滞の時間帯を避けることが可能となったり、また、プライベートの用事等がある場合でも、気兼ねなく帰ることができ、従業員の精神的なストレスが削減される可能性が高く、その結果として、従業員のモチベーションの向上が期待できます。

確かに、日本経済においては、長時間労働や通勤時のストレス等は、大きな問題と言えます。

特に、長時間労働に関しては、上司の目を気にして、実際は用が無いのに、なかなか帰れない、といケースが多々あり、それが従業員の健康状態に悪影響を及ぼしているのは周知の通りです。

ですから、フレックスタイムは、現在の日本経済が抱える問題を解決するには、有効な手段の1つであることは事実だと言えます。

しかし、その一方で、フレックスタイムは、一部の大企業を除いて、なかなか浸透していないのも事実です。

それは、フレックスタイムには、メリットもありますが、当然、デメリットもあります。

フレックスタイムを検討する場合には、デメリットの面を正しく理解することが重要となってきます。

では、次回はフレックスタイムのデメリットについてお話したいと思います。