あなたの会社の1on1は「3つの壁」にハマっていませんか?
日本全国蔓延中の「やらされ1on1」にご注意を!
1on1(ワン・オー・ワン)は、ここ数年、もっとも注目されている人材開発施策のひとつです。
ここで「1on1」とは「隔週・月1程度で行われる、上司ー部下のあいだの日常的な振り返りのミーティング」のことをいいます。
1on1は、うまくいった場合には、下記のような効果が期待できるとされています。
1.若年層(経験の浅い人材)の育成
2.職場のトラブル防止・炎上防止
3.組織メンバーのメンタルダウン、離職防止
4.とりわけ優秀人材のひきとめ、メインテナンス
5.シニア人材の活性化
しかし、この1on1、多くの企業で導入が試みられているものの、その定着までには、なかなか時間がかかっているのが現状のようです。
そして、さまざまな企業の1on1導入のプロセスを拝見する中で、1on1には「3つの壁」があるような気がしています。その3つとは下記のとおりです。
【第一の壁】
・なぜやるのか?(目的の打ち込み)
【第二の壁】
・いかにあり(being)、どうやるのか?(doing)(マインドセット・経験の獲得)
【第三の壁】
・いかに継続しつづけるのか?
まず、【第一の壁】ですが、これは管理職とメンバー双方に「1on1をなぜ実践しなければならないのか」という目的を、彼らの立場に応じて、わかりやすく説明できるかどうか、ということです。
「Why do?(なぜやるのか)」がわからないものを実践できるほど、人間というものは「物わかりがよい」わけではありません。目的が見失われれば、ただちに「やらされ1on1」が生まれてしまいます。
ここで重要なのは、本人の立場にたって、この目的が説明されるかということです。
人事の立場から、1on1の導入の目的を説明しても、そこには共感が生まれません。たとえば「離職率を下げたいので、1on1を導入します」とメンバーは説明されても、そこに共感を感じる人は少ないはずです。なぜなら、「離職率を下げる」は、人事の関心事であり、メンバークラスの関心事ではないからです。
別の言葉で申し上げますと、「1on1をやる本人にとってのメリット」を、きちんとわかりやすく説明できるかどうかが重要です。
そして、さらに重要なのは、ここで目的を打ち込むだけでなく、
1on1を実践する、それぞれのリーダー・管理職にとっての「目的」を、自ら言葉にさせて、腹に落とし込んでもらうことです。
そのためには、一方向的に目的を打ち込むだけでなく、対話を積み重ねることも重要です。
次に【第二の壁】です。
第二の壁は「1on1をやる管理職に、1on1を実践していくために必要なマインドセットを獲得させ、そのたたずまい(being)を補正し、さらには1on1の経験を積み重ねていけるかどうか」です。
1on1といえば、よくコーチングなどのスキルが注目されます。
しかし、それ「以前」に、1on1を実践する管理職・リーダーは、1on1を実践するためのマインドセットを獲得していく必要があります。マインドセットは多々ございますが、
1. 部下に興味をもつこと
2. 人間は成長できると信じること
3. まずは人間を信頼すること
などです。こうしたマインドセットのもとに、そのたたずまい(being)をただしていくことが、まずは重要です。
そのうえで、最後に必要なのは実践であり、経験です。
1on1は、実践を通してしか学べません
さらにいえば
1on1は、フィードバックをもってしか高められません
よって、研修やワークショップでのロールプレイング、現場での実践を通して経験を振り返り、その精度を高めていくことが重要です。
【第三の壁】は「1on1の実践を継続できるかどうか」ということです。端的にいえば「継続の壁」といってもよいかもしれません。
1on1は実践していくと、やがて、不安になってきたり、課題が生まれてきたりするものです。
よって、1on1を実践しはじめたリーダー・管理職には、なるべくフォローアップの研修、ワークショップの機会を設けてあげるとよいと思います。
そこで出てきたさまざまな不安を丁寧にすくい取り、ディスカッションしていくと、1on1の精度はあがっていきます。
とりわけもっとも重要なのは【第一の壁】であることはいうまでもありません。
1on1を実践する「目的」をしっかりと説明し、対話を通して腹に落としていくことが重要だと思います。
1on1、しょっぱなコケれば、そこから先は、すべてコケますので
あなたの会社の1on1導入は「3つの壁」にはまっていませんか?