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2022.08.01 COLUMN

今秋の最低賃金の引き上げと必須とすべき従業員へのマネーリテラシー教育

2022年度の最低賃金の引き上げ幅(目安)について、「中央最低賃金審議会」(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が全国加重平均で「30円以上」の額とすることで最終調整に入ったことが7月31日に発表されました。菅内閣時代の28円を超える過去最大の上げ幅になる見通しです。

今後の流れは、地方での審議会を経て、10月ごろから各都道府県別に新たな最低賃金を適用していきます。

 事業に与えるインパクトは甚大

一見するとたかが30円と思われる方もいるかもしれないが、実はそうも言っていられないのが実情だ。本日時点(2022年8月1日)で福岡県の最低賃金は870円です。つまり、今秋以降は時給が900円がおおよその最低賃金になると見込まれます。ちなみに、タウンワーク掲載分(2022年8月1日時点)で時給900円未満の件数は3,548件ありました。さらに、この3,548件の業種内訳としてはコンビニエンスストア・弁当販売・清掃・接客販売がほとんどでした。これらの業種では、労働分配率が65%前後と言われていましたが68~70%前後まで引きあがっても不思議ではない状況に来ています。

 

経営者の努力だけでは限界がある。今こそ全員営業の発想が求められる

経営者は、どんな方であれ事業を存続させたいと大前提は思われています。そのために必要な施策を最大限取られます。

しかし、このような時代になり経営者だけでなく従業員に圧倒的に欠けている能力があると考えます。それが「金融リテラシー」金融リテラシーマップです。もっと分かりやすい言葉で言えば「お金に関する知識」です。今までの時代ではお金について知識を増やすことは「がめつい」「はしたない」「品が無い」等のネガティブなイメージでした。ところが、事業と個人の両方を守ろうと思えば全員にこの視点が無いことがリスクそのものになりかねません。

このような知識不足の分かりやすい例が「昇給額」への不満です。企業が毎年2~3%昇給をしてもそれ以上の社会保険料や税金で吸い上げられていくので従業員の手元に残らないことが、会社への不満に繋がっていきます。また、このような状況を知らない従業員に対して経営者も不満を抱えることになります。そのため、このような状況を打破しようと思えば「お金への知識」を従業員に持たせることは避けられないことです。そして、従業員側も昇給額を増やそうと思えば「全員で利益を増やすにはどうするか?」を真剣に考えなければならない時代に差し掛かっています。

 

健全な危機感を持ち合う企業体への転換点

先述をしたように「今までの時代は~」「昔は~」等と言ってられない時代が目の前にあります。これからの時代に企業が求めるのは「今の数字を作る」ことは大前提とし、「これからの数字を作る」事が出来る人を重宝するようになります。

つまり、経営者だけで無く従業員も今までの延長線上での業務やサービス提供に固執しないことも求められてきます。

そのためにも、まずは従業員への「金融リテラシー」「お金に関する知識」を学ぶ企画を作られてはいかがでしょうか。税理士・金融機関の担当者など相談できる先は多々ありますので、もし重要だと感じられた方はさっそく動かれてみてください。

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