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2020.07.17 COLUMN

コンピテンシーとは?

高業績者の特性をベストプラクティスとして最大多数の社員に移植する(ベンチマークする)仕組み

「行動」を評価する方法としてよく使用されているコンピテンシーについて確認しましょう。

高業績者の特性をベンチマークする

コンピテンシーとは、高業績者が成果を達成する「特性」を、ベストプラクティスとして社内に公開して最大多数の社員に移植する(ベンチマークする)仕組みです。
アメリカの心理学者マクレランドの1970年代の研究を起源に1980年代後半から1990年代初頭にかけて普及しました。

日本企業におけるコンピテンシーの導入

日本では1990年代後半から、年功的になりがちな昇格と人事評価の曖昧さを回避するための人事評価ツールとして活用が始まりました。
高業績者の「行動」特性を分析し、行動項目を特定し「コンピテンシー・ディクショナリー」としてまとめました。
しかしその項目は膨大で、抽出やメンテナンスに労力がかかります。
また苦労して作成したコンピテンシーの信頼性も経年とともに環境が変わると低下します。
具体化することで説明責任を果たそうとしたのですが、必ずしもうまくいかなかったようです。

本来的なコンピテンシー

日本にコンピテンシーを持ち込んだヘイ・コンサルティンググループ(当時)の川上真史によれば、コンピテンシーは「行動」ではなく「動機」や「意識」をモデル化するものです。

前出のマクレランドの研究においても優秀な外交官の一番目の特性は「最後の最後まで、相手を信じ切ること」でした。行動は状況によって毎回変わります。
そして「困難でも高い成果を生み出したい」という動機こそ最も着目すべき特性です。
具体的な行動事実を捉え、そこから類推して「動機・意識」を見る、これが本来的なコンピテンシーの使い方だと言えます。

次回は人事評価のフィードバックについて確認します。