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2022.05.06 COLUMN

あなたの組織では「気配・隙間・祭り」の3つのコミュニケーションが失われていませんか?

あなたの組織では「気配・隙間・祭り」の3つのコミュニケーションが失われていませんか?

 

3年ぶりの行動制限の無いGWが後半に差し掛かっています。

様々なシーンでニューノーマルな生活様式が生まれています。そして企業活動においてもいわゆる多くの企業で「テレワーク」が導入され、「伝統的なオフィス勤務」とのあいだで何度かの「揺り戻し」を経験しつつも、少しずつ、「落とし所」が見えている状態ではないでしょうか。

落とし所はさまざまです。「週に3日はオフィス、週に2回のテレワーク」といったところで「落とし所」が見えてきている会社もありますし、会社によっては、「月に1度くらい」しかオフィスにいかないというところもあります。会社によっては「テレワークって聞いたことはあるよね」のような会社もあります。経営・事業によって、テレワークの導入は様々です。

そのようななかで、オフィスで営むコミュニケーションも、大きく変わりました。みなが、同じ時間に、毎日、同じ場所に集まるといったことが失われ、人々の日々のやりとりが変容しました。

この3年で、大きく下記の3つのコミュニケーションがオフィスから失われたように思います。

1. 気配のコミュニケーション
2. 隙間のコミュニケーション
3. 祭りのコミュニケーション

下記では、これら3つについてまとめてみました。

1.「気配」のコミュニケーションとは、文字通り、「人が、オフィスにいる「他人の気配」を読んだり、他人の行なっている行動を非意図的かつ暗黙に観察しながら感じること」です。ここで重要なことは、コミュニケーションイコール「言葉のやりとり」ではない、ということです。

むしろ、人は、暗黙のうちに、自らの存在・行動から、他者に様々なことを伝えています。そうしたものの伝達が、リモートワークでは厳しくなりました。テレワークでは、人の「気配」を伝えたり、そこから何かを読む、といったことは極めて厳しくなります。逆にいうと、リモートワークでは「言語を用いたコミュニケーション」で、あらゆる事柄を伝えなければならない、ということです。もう、わたしたちは「阿吽の呼吸」や「背中を見て育つ」に依存はできない。

そして、現在は、「言語」で物事を他者に対してきちんと「伝えられる能力」の重要性が、さらに高まっています。

2. 「隙間」のコミュニケーションとは、コミュニケーションの「あいま」、仕事の「あいま」、偶然に出会ったとき、など、非意図的なタイミングによって行われるコミュニケーションです。

廊下で偶然出会った時に行われる「Aさん、あの件、なんどけさ、ちょっといい?」といったコミュニケーション。クライアントに先輩と商談に出かけた帰り、電車のなかで行われていた「先輩、さっきの商談なんですけど、なんで、あのお客さん、あんなことを言ったんですかね」といったような偶発的タイミングにまかされていたOJT。

そうした、コミュニケーションや仕事の「あいま」に、非意図的に埋め込まれ、偶発的のなかで営まれていたコミュニケーションが、リモートワークでは失われています。逆に、リモートワークでの会議は、アジェンダを決め、決まったタイミングに始まり、決まったタイミングに、みなが「退出」ボタンを押します。

そこには「隙間」がない。
そして「余韻」がないのです。

そして、もうひとつ、大きく組織から失われたものが3. 「祭り」のコミュニケーションです。

人々が集まる集団、いわゆる「共同体」というものは、原始共同体の時代から、共同体の集合性・凝集性を高めるために、「祭り」を必要としてきました。

ここでいう祭りとは、「皆が、作り手でもあり、参加者のひとり」でもあるような「非日常的な祝祭のコミュニケーション」です。おもに「ともに飲むこと」や「ともに食事をすること」といったものと組み合わされ、ひとびとは、日々の「ケガレ」を落とし、「気枯れ」になってしまった自己、集団を奮い起こしてきました。

現在は、一時期に比べて緩和されていますが、それでも以前に比べて、みなで飲み行く、みなで食べにいくといった、「祭り」が減っているのは事実です。職場や気のおけない人々のあいだの「飲食」は失われ、人々は非日常のなかで祝祭の雰囲気を感じることもできなくなりました。

ひとびとは、少しずつ「気枯れ」を感じつつあります。 それが少しずつ積み重なっています。

ここでもっとも重要なことは、このコミュニケーション喪失の状態がいつまで続くのか、ということです。

この3年間で私たちは様々なことを学習してきました。それらを踏まえておそらく、

・「気配・隙間・祭り」の3つのコミュニケーションを補完するのか
・「気配・隙間・祭り」の3つのコミュニケーションに変わる「新たなコミュニケーション機会」を創出するのか

そのどちらかがこれからさらに求められるようになるのではないか、とおもいます。

あなたの組織では「気配・隙間・祭り」の3つのコミュニケーションが失われていませんか?

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