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2022.04.19 COLUMN

あなたの周囲では「刺激になりました症候群」や「ためになりました病」が感染拡大していませんか?

「刺激になりました症候群」や「ためになりました病」が感染拡大していませんか?

研修終了後に、「ふりかえり」や「感想」などを求めることが多くあると思います。

学んで何を感じたのか。自分にとって、どういう意味があったのか。場合によっては、どのようなことを疑問に思うのかを、自分の言葉で書くのが、この手の「振り返り」です。振り返りでは、様々な参加者が、思い思いのことを書いています。担当者や講師は、あとで、その振り返りに目を通します。

終了後のアンケートを拝見していると、彼 / 彼女らの感想・振り返りの「質(クオリティ)」や「解像度」に、ものすごく「差」があるな、と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この方は、ちゃんと物事を聞いていたのか。
はたまた、聞いていることを右から左に書き写しているだけではないか。
そして、自分の頭で考えているのか。
自分の言葉で表現しているのか。

そうしたことは、講師の目線で見れば、一目瞭然です。振り返りには、如実に、そうした参加者のみなさんの「差」があらわれます。

もっとも残念に思われるのは、

 「刺激になりました症候群」です(笑)。

この症候群の亜種には

 「ためになりました病」「気づきを得ました症候群」「学びになりました病」

というのもあります(泣)。

この手の病に罹患している参加者の振り返りは、極端に書けば、

「いやー、今回の内容は、刺激になりました」
「今回の内容は、ためになりました」
「今回の内容で、気づきを得ました」
「今日は、学びになりました」

です。

以上。終わり。それ以上は何もなし。

こちらとしては、そこから、一歩も二歩も踏み込んで、

1.講師の提供した「何の情報(What1)」から
2.あなた自身は「何(What2)」を考えて
3.それが自分自身にとっては「何の意味があったのか(What3)」
4.これから「何」を考え、何をしていきたいのか(What4)」

という4つのWhatを、できるだけ解像度を高めて伺いたいのです。
しかし、これらの病にかかってしまっている参加者は、このすべての「What」がダダ漏れ・間抜作(あいだ・ぬけさく)」になっています。一歩深く踏み込んで考えることを放棄し、「思考停止」の状態に陥っています。

いずれにしても、講演、研修、セミナー、ワークショップの際には、「自分の頭で考えること」を放棄することはしたくないものですね。

あなたの周囲では「刺激になりました症候群」や「ためになりました病」が感染拡大していませんか?