あなたの周囲では「刺激になりました症候群」や「ためになりました病」が感染拡大していませんか?
「刺激になりました症候群」や「ためになりました病」が感染拡大していませんか?
研修終了後に、「ふりかえり」や「感想」などを求めることが多くあると思います。
学んで何を感じたのか。自分にとって、どういう意味があったのか。場合によっては、どのようなことを疑問に思うのかを、自分の言葉で書くのが、この手の「振り返り」です。振り返りでは、様々な参加者が、思い思いのことを書いています。担当者や講師は、あとで、その振り返りに目を通します。
終了後のアンケートを拝見していると、彼 / 彼女らの感想・振り返りの「質(クオリティ)」や「解像度」に、ものすごく「差」があるな、と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この方は、ちゃんと物事を聞いていたのか。
はたまた、聞いていることを右から左に書き写しているだけではないか。
そして、自分の頭で考えているのか。
自分の言葉で表現しているのか。
そうしたことは、講師の目線で見れば、一目瞭然です。振り返りには、如実に、そうした参加者のみなさんの「差」があらわれます。
もっとも残念に思われるのは、
「刺激になりました症候群」です(笑)。
この症候群の亜種には
「ためになりました病」「気づきを得ました症候群」「学びになりました病」
というのもあります(泣)。
この手の病に罹患している参加者の振り返りは、極端に書けば、
「いやー、今回の内容は、刺激になりました」
「今回の内容は、ためになりました」
「今回の内容で、気づきを得ました」
「今日は、学びになりました」
です。
以上。終わり。それ以上は何もなし。
こちらとしては、そこから、一歩も二歩も踏み込んで、
1.講師の提供した「何の情報(What1)」から
2.あなた自身は「何(What2)」を考えて
3.それが自分自身にとっては「何の意味があったのか(What3)」
4.これから「何」を考え、何をしていきたいのか(What4)」
という「4つのWhat」を、できるだけ解像度を高めて伺いたいのです。
しかし、これらの病にかかってしまっている参加者は、このすべての「What」がダダ漏れ・間抜作(あいだ・ぬけさく)」になっています。一歩深く踏み込んで考えることを放棄し、「思考停止」の状態に陥っています。
いずれにしても、講演、研修、セミナー、ワークショップの際には、「自分の頭で考えること」を放棄することはしたくないものですね。
あなたの周囲では「刺激になりました症候群」や「ためになりました病」が感染拡大していませんか?