コラム / ブログ
COLUMN & BLOG

2020.10.30 COLUMN

目標設定がうまくいかない原因と処方箋とは? 【前編】

目標設定が苦手な人は多い

MBO, OKR。手段の違いはあれ、組織に所属している人間であれば「目標設定」というものには定期的に触れる機会があるのではないでしょうか。
Webには「目標設定はSMARTに!」「目標と目的の違いをおさえよう!」といった情報が溢れていますね。
そしてこの目標設定、苦手意識を持っている人がとても多いです。

コロナ禍においては、目標設定について相談を受けることが増えました。それぞれ悩みは千差万別なのですが、ざっくり分類すると下記のようなケースに当てはまることが多いです。

 

・何を目標として設定すればよいかわからない
・目標が達成に向かわない
・目標は達成できているが成長している実感がない/評価されない

このコラムでは、ひとつひとつの原因と処方箋について言及していきます。

何を目標として設定すればよいかわからない

「目標設定をしてください」と言われ、そもそも立ちすくんでしまうケース。
目標というのは、到達したいゴール、つまり目的を達成するための手段になります。目標達成を積み重ねることで到達したいゴールにたどり着けるよね、という仮説なわけです。

では、向かう先、到達したいゴールが不明瞭な状態で目標を設定しようとするとどうなるか。どこに向かいたいのかわからないのだから、そこに向かう道のりだってわからないですよね。

この「何を目標として設定すればよいかわからない」という課題は、社会人歴の浅い方からよく受ける相談です。


それこそ数か月前までは「社会に出ること」がゴールだった方々。それまでは周囲の人間も「高校に合格する」「大学に合格する」「卒業して就職する」といった同じようなゴールを目指していたのが、社会にでるといきなり「自分のキャリアプランは自分で描け」「5年後どうなりたいの?10年後どうなりたいの?」と聞かれるわけです。もちろん、それらを考えることは重要なのですが、自由度ゼロの世界からいきなりオープンワールドに放り込まれて戸惑うのはある程度必然かなと思います。

やりたいことが明確な人は、そのゴールから逆算した、今進むべき一歩を目標に設定すればよいでしょう。では、何がやりたいのか不明瞭な人はどうしたらいいのか。
ここは川流れのアプローチをとることをお勧めします。周囲の期待に身をゆだね、期待に応える形で目標を設定していきます。具体的には以下の通り。

・任されている仕事がやりきれているか?
・やりきれていないなら、まずやりきる力をつけることをめざす
・やりきれているなら、一つ上の期待を満たすことをめざす

まずは「周囲の期待に応える」ということをゴールに据え、それを達成するための道のりを目標として設定するのです。なんだか受け身な気がしますね。でも、そんなに自分の目指すべきものがハッキリしている人ばかりではないでしょう。というか、社会にでた時点でそこがハッキリしているような人は起業しているようなタイプです。

やりたいこと、目指したい姿がハッキリしていなくても焦る必要はありません。周囲の期待に応えながら、自分の得意や、やりたいことが見えてくる。ある程度まわりに流されながら、自分の心が動く瞬間が見つかるのを待てばよいでしょう。

 

次回は、「目標が達成に向かわない」「成長している実感がない/評価されない」という視点について解説します。