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2020.08.03 COLUMN

これからの「働きがい」を考える上でのポイントとは?

Q:これからの「働きがい」を考える上でのポイントは?

A:業績の観点からも、働く人一人ひとりの「働きがい」「仕事のやりがい」と向き合うことが求められていく

すべての従業員が働きがいを感じる会社

一般的に、「働きがい」はリーダー層(経営層と管理職層)が高く、一般従業員が低い傾向があります。
しかし、両者のギャップが小さい会社ほど好業績である(売上高成長率が3倍程度高い)ことがGPTW社の調査からわかりました。同社のマイケル・C・ブッシュ社長は特定の層だけではなく「すべての従業員」が働きがいを感じ、「人の潜在能力が最大化」している「全員型働きがいのある会社」をこれからの理想モデルとして掲げています。

企業は一人ひとりと向き合う

働きがいの構成要素のうち「働きやすさ」は企業の努力によって改善が進められています。
しかし「仕事のやりがい」はどうでしょう。
仕事のやりがいは働く人自身が感じるものであって、他者から与えられるものではありません。画一的に促進することはできないでしょう。
自社のミッションにマッチした人材を採用し、働く人一人ひとりと向き合い、魅力的な目的・目標に向けて握手し協力し合う、個別的で、かつ対等な関係が企業には求められていくはずです。

仕事の本質に没頭し自分が活きるプロセス

外してはならない原則はなんでしょうか。青山拓央『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』にはこうあります。

仕事における個々の行為が、それ自体を目的とし、それ自体において徳(アレテー)が十全に発揮される「活動」であるならば、その仕事は生きがいにつながります。

アレテーとは、実践的な習慣づけによって伸ばされた「卓越性」のことです。その卓越性が十全に発揮されるとき、人間は「エウダイモニア」に至ります。エウダイモニアとは古代ギリシアの哲学者アリストテレスが提唱した本質的な幸せのことです。
仕事の本質に没頭し、自分の卓越した能力が十分に活きるプロセスこそ、やりがいであり、生きがい、幸福につながる。それは2300年前から変わらない人間の姿のようです。

次回からは組織開発に関する10のツボをご紹介します。