リーダーや管理職は「新たなビジョン」を提示してはいけない!?

リーダーや管理職は「新たなビジョン」を提示してはいけない!?
あなたがリーダーや管理職として、新たな職場やチームを率いようとするとき、既存のメンバーの中から、こんな声があがることがあります。
これからの「ビジョン」を示して欲しい!
これからどうしていいかの「ビジョン」が見えない
一般に、リーダーや管理職にとって「ビジョン」とは避けてとおれぬもの。これをメンバーに提示して共感をえて、信頼を獲得することが、チームや職場を前に進める源泉になるものと思います。
しかし、ここには注意が必要です。
一般に、メンバーというものは「ビジョンを提示して欲しい」というとき、「隠れた条件」を「暗」にリーダーに要求していることが多いものです。
その条件とはなにか?
それは「自分たちの、これまでの過去に、リスペクトをせよ」というものです。
リーダーや管理職は、新たにビジョンを示すのだから、「これまでを否定」するもの、ないしは、「否定」とまでは言わなくても、「これまで」をズラして、「まったく新しい職場やチームの将来像」を構想したくなるものです。
しかし、リーダーや管理職よりも、古くから、そこにいるメンバーは、「単に、新しいもの」を要求しているわけではありません。
彼らが要求しがちなのは「自分たちの、これまでの過去に、リスペクトを示した、新たなもの」であることが多いものです。
ここにこそ、ビジョン提示を行うときに、リーダーや管理職が陥る「ジレンマ」があります。
新たなものを構想せよ!と言われたことを真に受けて、
新たなものを構想してはいけないのです。
求められているのは「これまでにリスペクトした、新たなもの」です。おお、この矛盾に満ちたもの。
このジレンマをとくコツは、ほかにも様々なものがありましょうけれども「時間差を設ける」というのも手かもしれません。
最初のうちは「これまでにリスペクトした、新たなビジョン」でなんとかお茶を濁しておく。
そのうえでメンバーの信頼をかちえたあとで「本当に新たなビジョン」を提示するなどのことも一計かもしれません。
あなたは「ビジョン提示」にまつわるジレンマにハマッていませんか?
あなたのビジョンは、これまでの過去にリスペクトをはらっていますか?