コラム / ブログ
COLUMN & BLOG

2021.06.15

心理学者が明かす、心の真実② 子どもの頃の成功への恐怖体験

私たちは、小学校、中学校と義務教育を受けてきました。その教育の中のテストでいい点を取ったと仮定します。最初は、先生や親、友人からも「すごい!」などと言われ、褒められるでしょう。しかし、その状況が続くと周りの人はどうなるでしょうか。

友人からは「あいつは調子にのっている」「いつかこけた時にメンタルが折れる」というような態度で接してくる人が増えてきます。さらにその状態で、点数が下がると、先生や親は「次は大丈夫。次は頑張れ」と、言いつつも「努力を怠ったのでは」や「悪い点も人間っぽい」というような、態度を示しがちです。

このようになると、本人としては、頑張って良い点を取るよりも、悪い点を取ると周りが安心する、という考え方に影響を受けます。そこで、成功は責められ、ちょっと悪いくらいで丁度いいと考えるようになります。

また、良い成績をとり続けたとしても、必要以上のプレッシャーを感じ、苦痛になるケースもあります。

「成功は怖い」この無意識の心理の動きを知らずに、教育業界では自信をつけるために成功体験を積ませることが大切だと言い続けられています。経験自体に問題はありませんが、背景に「成功への恐怖」があることも認識すべきです。私たちが一番重要視すべきは、本人の成功への恐怖を取り除き、成長の喜びや貢献の尊さを感じてもらうことです。

再構築のための心理学を教育へ

私たちは社会に出るまでたくさんの経験を積んでいます。その経験1つ1つから、様々な学びをしています。この言葉は人を怒らせる、この態度は不愉快にする、などです。しかし、果たしてそうでしょうか。怒るのはその人だけかもしれませんし、不愉快になるのは一部の人だけかもしれません。私が提唱している再構築心理学は、過去の経験からの学びを再構築し、組み替えて、現在の役に立つ形にしていくという心の流れを汲んでいます。

文責:礒村 博之(心理カウンセラー)

礒村博之プロフィール:合同会社こころと言葉 代表

子どもに誇れる生き方を理念として虐待問題、里親支援活動に携わる。 心理学の知識を日常生活に活用して、クライアントの望む生活を聞き出しサポートをしている。 また、アメリカ、インドにもクライアントを抱え、東洋と西洋を混ぜたカウンセリングで様々な心の問題を治療している。

関連記事

関連記事はありません。