コラム / ブログ
COLUMN & BLOG

2020.06.03 COLUMN

なぜ、人事評価制度はうまく運用されないのか?

「当社では、人事評価制度を導入しているのですがうまく活用できていません」「評価結果に対して従業員の不満が伝わってきます」「最終的に自分(経営者)が調整しており意味を成していません」「通例行事となっています」など評価制度を運用させるにあたりご相談を多くいただきますが、心中をお察しする限りです。

ただ、ご相談内容をよく見てみると悩まれている点についてはある程度共通点があるように見受けられます。それは、「制度的問題」なのか「人的問題」なのかということです。

評価制度運用の論点

そして、多くの企業での課題は「人的問題」に寄与しているといっても過言ではないでしょう。

なぜ、そのような状況に陥るのか。その答えは、「評価者」としての教育を管理職(いわゆる評価者)が受けていないことにあると考えられます。

教育訓練の機会

多くの企業では様々な形でいわゆる「マネジメント研修」を実施し、管理職にマネジメントの何たるかを学習させている。一方で「評価者」としての学習状況はどうであろうか?そもそも自社の人事制度の枠組みを理解しているだろうか?そして、評価制度を通じて会社が何を伝えようとしているか部下に伝えられるでしょうか?このような視点を持った時に貴社の組織内はどうでしょうか。

「まったく問題ない!」ということであれば幸いです。逆に「正直、分かっていないだろうな」と思われても安心してください。今まで学ぶ機会がなければ、その状態は特段驚くべき状態ではなくむしろ普通です。だからこそ、今後はマネジメント以外にも評価者には学習の機会を設けていただきたいです。

そして、忘れていただきたくないのは「非評価者」にも同様に学習の機会を設けることが必要性です。どれだけ評価者が学習し、理解を深めても非評価者も同様に制度について理解をしていなければ効果を発揮することはできません。特に顕著に表れるのが「目標設定」です。評価者と非評価者の双方が目標設定の仕方について具体的に理解をしていれば「あいまいな目標」や「測定ができない目標」は生まれることを極力無くすことができます。

人事評価制度は作って終わりではありません。運用し、従業員が顧客に貢献し、業績が伸びることに意味があります。これからの時代の変化で評価制度の変更も当たり前に生まれてくると考えられます。だからこそ、評価者と非評価者を置いてきぼりにした制度にすることなく外部をうまく活用して制度を効果的に運用していただきたいと思います。