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2020.07.23 COLUMN

内的報酬と外的報酬のバランスのとり方とは?

大きな内的報酬と、適度な外的報酬を目指すべき

最適なのは大きな内的報酬と適度な外的報酬

組織パフォーマンスを最大化するためには、内的報酬と外的報酬はどのようなバランスで考えれば良いでしょうか?
賃金などの外的報酬は、多すぎても少なすぎても問題が生じます。
賃金が少なすぎる場合、働く人の生活に支障が出る、不満から退職につながるなどの悪影響が起きることは想像に難くありません。
しかし賃金が多すぎる場合にも悪影響があります。
プリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマンによれば年収7万5000ドル(約900万円)を超えるとそれ以上は賃金が増えても幸福度(生活の満足度)に影響はないそうです。
企業の負担を考えても、適度な外的報酬であることが重要だと言えます。
外的報酬は適度であること、そして内的報酬は大きいこと、これが最適な状態だと言えます。

外的報酬は内的報酬を邪魔することも促進することもある

外的報酬は使い方によっては内的報酬を邪魔することがあります。
例えば好きで勉強をしていた子供にご褒美(外的報酬)を与えてしまうと、それがなければ勉強をしなくなる、好きで熱中していた仕事に金銭報酬を与えられるとやる気がしなくなってしまう、など。
これをローチェスター大学の心理学者エドワード・L・デシは「アンダーマイニング効果」と名付けました。
一方で、何かの賞を目指して頑張るなど、外的報酬があることによって内的報酬が促進されることもあります。これを「エンハンシング効果」と言います。
コストをかけて外的報酬を増やせば、人はやる気になるわけではない、むしろやる気を削がれたり、幸福度が減ったりすることもある。
人材マネジメントの難しいところです。
逆に言えばコストをかけなくても内的報酬を促進する方法は工夫次第でいくらでもある、とも言えます。

次回は、「働きがい」「仕事のやりがい」「働きやすさ」についてお伝えします。